古江彩佳/2000年生まれ。兵庫県出身。2019年、富士通レディースでアマ優勝を飾り、プロ入り後は7勝をマーク。2022年から戦いの舞台をアメリカに移し、同年、スコットランド女子オープンで優勝し、2024年7月、エビアン選手権でメジャー制覇を果たした。ロレックスランキングは日本人最高位の8位(8/27時点、PHOTO/Getty Images)
[解説]岩本砂織
ナショナルチームのテクニカルコーチ。古江が高校1年からずっと指導しており、現在も古江のショットデータを基にアドバイスを送り続ける。JLPGAティーチングプロA級の資格を持ち、横浜のSALTO GOLFを中心に、レッスン活動も行っている。
左手の押さえ効果でフェースが勝手にターンするんです
左サイドの使い方がバツグンに上手い
GD エビアン選手権の最終18番のセカンドも見事でした。
岩本 そうですね。古江プロのアイアンショットを見ていて感じるのは、左サイドの使い方の上手さです。
GD 具体的に言うと ?
岩本 腰の動きを止めて、左の壁ができて、腕が振られていくわけですが、ビジネスゾーンで左腕は下向きに押していく感覚が必要です。
凄いぞPOINT③
◆左手を上から押さえてフェースをターン
「注目は、左腕の使い方です。上の3枚とも左腕はずっと下向きに押さえる力が働いています。スウィングはテコの原理ですから、この左手の動きによって、胸と手元の位置関係を完璧にキープしたまま、フェースが自然にターンしていきます」(岩本)
GD 下向きに押す ?
岩本 そうです。下向きに押すことで、胸と手元の位置関係がキープできるんです。
GD 手が体の正面にある状態を保つということですね ?
岩本 インパクトやフォローで左ひじを引くと、体と手元の距離が変わるため、スウィングを調整しないと正確にヒットできません。古江プロにはそういうムダな動きがなく、シンプルで再現性の高いスウィングが完成しているんです。
古江彩佳のウェッジショット
80~100ヤードの距離からバーディを取っている
80~100ヤードのショットは平均6.9ヤードに寄せている。あと1ヤード寄せられたとしても、0.1しかストロークは変わらない。すでに、この距離から多くのバーディを取っていることがわかる
古江彩佳のスウィングに近づく方法 !
重いものを振ると自然に体全体が動き出す !
GD 一般ゴルファーが古江プロのようなスウィングに近づく練習法はありませんか。
岩本 古江プロは下半身と上半身を連動させるのが上手いんです。左右の足を踏むことで下半身を動かして、上半身が何かをしようとはしていません。メディシンボールのような重いものを振ると、体全体を使ってスウィングする感覚が少しずつわかってきます。
【練習法】メディシンボールで体全体を使う感覚を覚える
「腕の力を使わない古江選手のスウィングに近づくには、メディシンボールを振る、投げる練習がおすすめです。実際に球を打つ練習の前と後にやると、体を使ってスウィングする感覚が少しずつわかってきます」(岩本)
PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe、Blue Sky Photos、Hiroyuki Okazawa、Hiroshi Yatabe、Getty Images
ILLUST/Kouki Hashimoto
THANKS/Loun9ine神宮前店
※週刊ゴルフダイジェスト8月20日・27日号から一部抜粋
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みんなのゴルフダイジェストでは、前回の【ドライバー編】に続き【アイアン編】をお届けした。みんなのゴルフダイジェスト8月20日・27日号では古江のデータ分析のや、アプローチ、パターの“凄いぞPOINT”を掲載している。