曲がらないドライバーからアムンディ・エビアン選手権の大逆転イーグル劇が始まった
エビアン選手権の最終日、トップに並んだ古江は、最終18番パー5で迷わずドライバーを選択。フェアウェイ右サイドのファーストカットに運んだ第1打が大逆転のイーグルにつながった。
[解説]岩本砂織
ナショナルチームのテクニカルコーチ。古江が高校1年からずっと指導しており、現在も古江のショットデータを基にアドバイスを送り続ける。JLPGAティーチングプロA級の資格を持ち、横浜のSALTO GOLFを中心に、レッスン活動も行っている。
腰を止めて球を押すからインパクトゾーンが“超”なが~い !
“軸ブレゼロのボールストライカー”
GD 古江プロのエビアン選手権優勝は、アメリカ女子ツアー屈指の高いフェアウェイキープ率(83.37%)によるところが大きいですよね。
岩本 そうですね。あの高いショット精度は軸がブレないおかげです。
GD 軸ブレゼロ ?
岩本 ドライバーは、飛ばそうとしてダウンスウィングで右腰が浮き上がりやすいんですが、古江プロにはこの動きがまったくありません。切り返した瞬間、左股関節に“左の壁”が完成しています。
GD なるほど。
岩本 インパクトとフォローの腰の向きを見ると、腰の動きが止まっていますね。
GD ホントだ ! 腰が同じ向きを向いています。腰のストップは、どんな働きがあるんでしょうか ?
①腰は止まったまま
インパクトからフォローにかけて、逆にわずかに腰が戻るツイストする動きを見せる。これが、ボールを真っすぐ長く強く押せる秘密だ。
②腕は約90度動く
腰の動きは止まったまま、腕だけが90度動く。腕を振る意識はゼロだ。
岩本 左股関節に左の壁ができると、脱力した腕だけが90度くらい振られていきます。そのため、インパクトゾーンが極限まで長くなって、真っすぐ強くボールを押せるわけです。
凄いぞPOINT①
◆腰の動きを止めて強く長くボールを押す
「インパクトから左腕が水平になるポジションまで、股関節の動きが止まります。腕は約90度動いているのに腰の向きはほとんど同じです。そのため、左サイドに壁が生まれ、軸ブレゼロのままインパクトゾーンが極限まで長くなるわけです」(岩本)
凄いぞPOINT②
◆ティーを飛ばさないのがAYAKA流
古江はドライバーショットでティーを飛ばさない。83.37%でツアー全体の3位という高いフェアウェイキープ率は、この精密機械のようなインパクトから生まれる。
PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe、Blue Sky Photos、Hiroyuki Okazawa、Hiroshi Yatabe
ILLUST/Kouki Hashimoto
THANKS/Loun9ine神宮前店
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今回は古江彩佳のドライバーの凄さを紹介した。続く【アイアン編】では①「テコの原理」を利用した意識、②「左手の押さえ効果」を岩本プロが解説 !「体全体を使ったスウィング」になる練習ドリルも掲載するので、お楽しみに !