身長162㎝で290Y以上飛ばす生源寺龍憲プロ。今年、プレーするステージが上がったことで壁を感じたという。2024年10月号の「月刊ゴルフダイジェスト」では、そんな彼が、もう一段階上のスウィングを身に付けるべく、「地面反力」の第一人者であるクォン教授を紹介し、その内容をレポートしている。みんなのゴルフダイジェストでは、一部抜粋してお届けする。

◆生源寺龍憲プロ

画像1: 162cmの生源寺龍憲「+30Y」への挑戦! 「クォン教授、僕、どうやったら飛距離伸びますか ?」

1998年生まれ。昨年ABEMAツアーで2勝を挙げ賞金王となり、アジアンツアーのQTも2位で通過。今年はアジアンツアーと国内レギュラーツアーに挑戦しつつ、初優勝を狙う。

◆ヤン・フー・クォン教授

画像2: 162cmの生源寺龍憲「+30Y」への挑戦! 「クォン教授、僕、どうやったら飛距離伸びますか ?」

テキサス女子大学教授で、バイオメカニクスの権威。ゴルフスウィングにおける地面反力の研究を得意とし、B・デシャンボーをはじめ多くのトッププロやコーチを指導する。

地面反力は大きいのに回転に生かせていない

生源寺龍憲は、身長162センチと小柄だが300ヤード近い飛距離を誇り、ドライビングディスタンスは現在30位。国内では十分「飛ばし屋」と言える飛距離を誇る。※スタッツは8/10現在

しかし昨年ABEMAツアーで活躍して今年はレギュラーツアーとアジアンツアーを主戦場にするようになり、自分のスウィング、飛距離にある種の限界を感じているという。

そこで、バイオメカニクスの権威でスウィングにおける地面反力研究の第一人者ヤン・フー・クォン教授が来日した際に彼のもとを訪れ、スウィング分析とアドバイスを求めた。

生源寺のスウィングを、独自のスウィング解析システム「クォン3D」を使って分析したクォン教授は、彼の能力を非常に高く評価する。

「クォン3D」でスウィング解析

画像: クォン教授が開発した「クォン3D」を使い、生源寺プロのスウィングを分析した

クォン教授が開発した「クォン3D」を使い、生源寺プロのスウィングを分析した

クォン教授が開発したスウィング分析ソフト「クォン3D」を使って生源寺プロのスウィングを分析。高精度な3Dモーションキャプチャー、高速カメラ、フォースプレートなどを駆使し、さまざまなデータを取得・解析できる。

「この身長でこれだけの飛距離を出せているのは、称賛に値します。スウィングプレーンがシンプルできれい、さらにフェースやクラブの使い方も上手い。運動能力の高さを感じるグッドスウィングです。地面反力を見ても、加重・抜重の仕方が上手く、大きなポテンシャルを感じます」(クォン教授)

【Goodポイント①】軌道がキレイで基礎レベルが高い

スウィングプレーンがキレイで前傾のキープやクラブの動き、フェースコントロールもいい、基礎レベルの高いスウィング。そのおかげで、余計なロスが少なく、身長の割にスピードが出せている。総合的な運動能力が高い証拠。

画像: ※画像①/スウィングプレーンがキレイで前傾のキープやクラブの動き、フェースコントロールも良い。

※画像①/スウィングプレーンがキレイで前傾のキープやクラブの動き、フェースコントロールも良い。

しかし生源寺としては、さらなる飛距離を求めるうえで、いくつもの疑問や壁を感じているという。「僕はあまり体重移動が得意ではないので、飛ばそうとしてもう少し大きく動こうとするとタイミングが合わなくなるんです。ヒールアップして強く踏み込むとスウィングスピードは上がるのですがインパクトでパワーが逃げて飛距離に結び付かない。スピードの上げ方が悪いのか、スピードアップしたときのコントロールに問題があるのか、その辺に悩んでいます」(生源寺)

生源寺の言葉を受け、クォン教授が指摘したのは、地面反力の“使い方”だ。生み出している地面反力自体は大きいのに、前後軸(体の正面から見た回転軸)での回転力に生かせていないというのだ。

【Goodポイント②】強い踏み込みで地面反力が大きい

切り返しで強く踏み込んで地面を押せており、その後の抜重も上手いので、大きな地面反力を生み出せている。多少の問題点はあるがポテンシャルが高く、少しの改善で飛距離が伸びるはず

画像: ※画像②/地面反力を効率よく取り入れていることで小柄ながらも平均292.1Yを可能にしている。(撮影/姉崎正)

※画像②/地面反力を効率よく取り入れていることで小柄ながらも平均292.1Yを可能にしている。(撮影/姉崎正)

【Badポイント①】出力のタイミングが遅くて急激

ダウンスウィングから急激に加速しようとしており、出力のタイミングが遅い。そのせいで運動連鎖が乱れて回転が阻害されているうえ、飛ばそうとしたときほどロスが大きくなっている。

画像: ※画像③/画像②で生み出した地面反力がダウンスウィングの急激な加速により運動連鎖が乱れ、ロスが大きくなっている。

※画像③/画像②で生み出した地面反力がダウンスウィングの急激な加速により運動連鎖が乱れ、ロスが大きくなっている。

「運動連鎖のスムーズさが少し足りず、ゆっくりバックスウィングして、切り返し後に急激に加速させようとしています。これが地面反力を回転に変換するのを妨げ、スピードアップ時の動きの乱れにつながっている。彼のスウィングなら、ちょっとしたコツで一気に改善され、飛距離が伸びるはずです。これはアマチュアにも多い問題点。まずはここを改善していきましょう」(クォン教授)

【Badポイント②】回転のスムーズさが少し足りない

強い踏み込みで大きな地面反力を生んでいるにもかかわらず、それが上手く回転に結び付いておらず、フォローが詰まり気味でアップライトに抜けており、エネルギーロスにつながっている。

画像: ※画像④/フォローがつまり気味でアップライトに抜け、エネルギーロスに繋がっている。

※画像④/フォローがつまり気味でアップライトに抜け、エネルギーロスに繋がっている。

構成・文/鈴木康介
写真/姉﨑正、有原裕晶
協力/ネクストベース・アスリートラボ

※月刊ゴルフダイジェスト10月号から一部抜粋

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クォン教授から生源寺へのアドバイスのほか、地面反力を使うためのバックスウィングの上げ方や、アマチュアにもイメージしやすい「地面反力ドリル」を紹介している。続きは月刊ゴルフダイジェスト2024年10月号、もしくはMyゴルフダイジェストをチェック !

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