ゴルフ殿堂入りの名手、マーク・オメーラが米シニアツアーからの引退を表明した。
画像: 67歳のマーク・オメーラが引退を表明した(撮影/姉崎正)

67歳のマーク・オメーラが引退を表明した(撮影/姉崎正)

98年にマスターズと全英オープンに勝ち、年間メジャー2勝の最年長記録を樹立。PGAツアー通算16勝、日本・豪州・欧州・南米で複数回優勝している67歳のオメーラは、思い入れの深いペブルビーチGLとスパイグラスGCで開催された米シニアツアーの「ピュアインシュランス選手権」で華々しいキャリアに幕を閉じた。

9月20日から22日にかけて行われた同大会は、シニアと子供たちが対戦するユニークなイベント。オメーラはそこで大好きなペブルビーチに別れを告げた。

カリフォルニア生まれのオメーラは、全米アマのタイトルを引っさげプロ入り。息の長い活躍をし、AT&Tペブルビーチプロアマで5回優勝。当時40歳だった97年にはタイガー・ウッズとデビッド・デュバル(ともに2位)を破り、栄冠に輝いた。

96年にデビューしたタイガーが兄のように慕ったのもオメーラだった。フロリダ州アイルワースの住人同士で、「あんな若造に何ができる」と反感を持つ選手も多かったタイガーにツアーの居場所を作ったのが彼。

97年のマスターズでは初日の前半で40を叩き落胆したタイガーに、「いつも練習で僕を負かしているじゃないか。それを思い出せ」と声を掛け、タイガーのメジャー初優勝に貢献した。優しい人だった。

日本からアメリカへ取材に行くと欧米メディアのインタビューを断ったのに、目配せをして人気(ひとけ)のない場所で話を聞かせてくれた。

「プロゴルファーはゴルフのプロ。あなたたちは文章を書くプロ。優劣なんて全くない」という言葉が印象に残る。

そんな彼の一番の思い出は、90年にペブルビーチで行われたプロアマ形式の大会で父と一緒にプレーして優勝したこと。

「全米アマもマスターズも思い出深いけれど、父と一緒にペブルビーチでプレーした時間は、これ以上ない最高の思い出」と語った。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年10月8日号「バック9」より

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