竹田麗央、川﨑春花選手たちと同世代の佐藤心結選手は2003年生まれの21歳。初優勝から7勝を挙げ躍進する竹田選手、今季3勝(通算5勝)を挙げる川﨑選手と切磋琢磨をしながらここまで戦って来ました。同年代の活躍から刺激を受け、苦しみながらも「自分を見つめ直して」いたといいます。
今季は予選落ちが17回と苦しいシーズンを送っていましたが、「日本女子オープン」の最終予選の2日目が終わった後に米山みどりプロから「素振りのときに、特にティーショットでまったく足を使っていない。足を使って打ちたいなら素振りから同じようにしたほうがいい」とアドバイスをもらってから面白いようにガラッと変わったと優勝会見で話しました。
ではその足を使ったスウィングを見てみましょう。トップの位置がコンパクトなショートトップが特徴ですが、テークバックの早い段階で背中をターゲットに向けると、左に重心を移動させ手元が上がり切る前に下半身はダウンスウィングへと切り返していきます。(画像A)
画像Bでは、左足を踏み込んで骨盤をターンさせ上半身と下半身の捻転差を作り、しっかりとシャフトをしならせるトルクをかけていることが見てとれます。インパクトまで顔の向きをキープすると、フォローではフェードヒッターらしく顔を残し過ぎない点も見られます。
出だしの2番でボギーとし「正直、前半が終わって厳しいかなと」思ってターンした後半に11番でバーディを奪い1打差にすると「まだまだ全然いけるな」という気持ちなったといいます。16番パー3のチップインバーディに続いて17番でタッチを合わせたロングパットが入ると「今の入っちゃうのか、と自分の中で怖くなって、足も手もガクガクでした」と振り返ります。
それでも緊張の18番を乗り越え、見事に2打差を守って初優勝を飾った佐藤選手。失った自信を取り戻したに違いないでしょう。優勝の200ポイントを加算してもポイントランクは56位と、どれだけ苦しんで来たかが表れています。優勝の資格だけでなく50位以内に入ってシード権を獲得を目標に残りシーズンにも注目していきます。