レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。フルスウィングしたときに気持ちよく振れるように「ハーフスウィング」からレッスン中。今回は「アドレスの完成形」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本㉕】
画像: アゴひとつとっても、構え方を間違えると、ボールは上手く打てない

アゴひとつとっても、構え方を間違えると、ボールは上手く打てない

左腕は張って、右腕はたわめる

画像: 左腕は張って、右腕はたわむように構える

左腕は張って、右腕はたわむように構える

GD 前回は正しいアドレスを作るために重要な8つのポイントのうち、5つ目のグリップの位置を学びました。今回は6つ目の背骨の角度、7つ目の左腕の張り、そして最後8つ目の右腕のたわみの説明ということでしたね。

原田 そうです。5つ目のグリップの位置までは別々に説明してきましたが、この3つはセットなんです。

GD 連載21回目に正しいアドレスを作るときの8つのポイントを概論という形で説明していただいたので、基本的なことは分かっているつもりです。構えたときに右手が左手よりも下を持つため、背骨が右に少し傾いて、右肩が左肩より少し下がります。そうすると左腕が張って右腕がたわむということでした。

原田 そうです。そこが大事です。

GD ちょっと自分でやってみます。クラブを握るときは左手とシャフトが一体になるようにして右手が少し下になるから背骨は少し右に傾くと……。で、左腕は張って右腕はたわむ感じになると。こんな感じですか?

原田 それは違っています。悪い例になっちゃってますね。

GD 悪い例ですか?

右肩が前に出ないように

画像: 右肩が前に出ないように

右肩が前に出ないように

原田 そうです。その理由はですね、今の形だと後方から見たときに右腕の下に左腕が見えるんです。

GD 両腕の高さがそろっていないと?

原田 そういうことじゃなくてね、右腕の下に左腕が見えるってことは、右肩が前に出ているってことなんです。そうなっていると、スウィング軌道がアウトサイドインのカット軌道になりやすいんですよ。

GD 確かにご指摘の通りです。自分から見ても右肩が少し前に出ているのが分かります。では、正しいのは?

原田 今の逆で後方から見て右腕の上に左腕が見えるのが正しい形です。

GD こうですか?

背骨の角度もチェック

画像: ハーフウェイバックでリーディングエッジと背骨が平行になるように

ハーフウェイバックでリーディングエッジと背骨が平行になるように

原田 そうです。今度は大丈夫です。クラブを持ったときは右手が左手より下を持つわけです。両手の指先を合わせたら肩は地面と平行ですけど、右手が左手より下を持ったら右肩は下げるんです。右肩を下げて握ると左腕は伸びたままで右腕はたわむんです。だから背骨の角度、左腕の張り、右腕のたわみはセットなんです。

GD 左右の指先のズレの目安はありますか? 右手指先は左手指先のどのくらい下になっていればいいんですか?

右手分、背骨を右に傾ける

画像: 右手分、背骨を右に傾ける

右手分、背骨を右に傾ける

原田 うーん、そうですね……。右手薬指と中指の第2関節が左手指先にくるイメージかな。

GD 5センチくらいのズレになるんですね。

原田 あまりそこは考えたことがなかったけど、そのくらいでしょう。これで正しいアドレスを作るための8つのポイント説明は終了となりますが、あと2つほど知っておいてほしいことがあるので、それを補足します。

GD まだあるんですね?

アゴは締めるより、上げるほうがいい

画像: アゴは締めるより、上げるほうがいい

アゴは締めるより、上げるほうがいい

原田 ひとつ目はアゴです。よくアゴを胸に付くくらい下げている人がいますけど、あれはNGです。アゴはしめないで、逆に上げるくらいの感じにしてください。首を長くするというイメージでもいいと思います。

GD アゴをしめると何か不都合が起こるんですね?

原田 アゴをしめると肩がうまく回らないんです。別の言い方をすると、首と胸、肩がくっついてしまって一緒の方向に動いてしまうんです。首と肩が一緒に動いてはいけません。

GD 自分はずっとアゴをしめていたように思います。だから肩の回りが浅かったんだ!

画像: アゴを締めると肩がうまく回らないので注意

アゴを締めると肩がうまく回らないので注意

原田 補足のふたつ目は8つのポイントに沿って正しいアドレスを作れても、ドライバーを振るときとショートアイアンでは姿勢が多少変わってくるということです。

GD 想像はつきます。ドライバーのほうがスッと立つ感じでしょうか?

原田 そうです。ドライバーは体を起こす感じになります。まあ、この点については、ショートアイアンのような短いクラブとドライバーは同じじゃないよということだけ頭に入れておいてもらえれば結構です。

GD これまで正しいアドレスを作るうえで大切なことを学んできましたが、ほとんどなるほどと思えるものでした。原田プロが推奨するアドレスの形を覚えると、具体的にはどんな効果を期待できるんですか?

原田 アドレスはボールの飛距離、方向性、弾道すべてに影響します。もっと細かく言うと、インパクト時のヘッドスピード、打点の正確さ、クラブ軌道、フェース角度、入射角度のすべてに影響します。だから正しいアドレスを身につけることが大事になってくるんです。

スタンス幅は超重要

画像: スタンス幅と姿勢にこだわろう

スタンス幅と姿勢にこだわろう

GD その中であえて優先順位をつけるとしたら、どうなりますか?

原田 全部が大事なんですけど、一番優先すべきは足の幅と姿勢ですね。この2つができないとまず体幹ターン(ボディターン)ができない。何度も言っていますが、ゴルフスウィングの8割は体なので。

GD 体を動かすことができないことには始まらないということですね。正しいアドレスをマスターするために何かドリルのようなものがあるといいです。

原田 それは鏡やガラスに自分のアドレスの形を映してみる、スマホで動画や写真を撮るなどの方法でチェックしたらいいでしょう。何事もコツコツと続けることが大切です。では、次回はハーフスウィングの完成度を上げるためにバックスウィングで上げたクラブを左(フォローサイド)へ振っていくときに大事なことに戻って説明していきましょう。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/都留グリーンゴルフ

ナイスショットを打つための正しい構え方

This article is a sponsored article by
''.