秋晴れの空のもと開催された日本オープン3日目。もちろん取材で来たのだけれど、今日は
1ギャラリーとしても楽しんでみようと思います。まず、日本ゴルフ協会100周年の記念イベントで行っている「ごる印めぐり」。コースの各所で設置されたスタンプを押すと、数に応じて賞品がもらえるというもの。
ゴルフって、プレーだけでなく、試合観戦でも、歩く、歩く。これが健康によいんです。それにスタンプラリーって、地味に心躍りません? 最初は見つけづらかったけど、人間の収集癖を刺激するこの企画。歴代の優勝者のスタンプも味わい深いもので……がんばって集めちゃいました!
さて、競技観戦に戻りましょう。メジャーの決勝はツーサムで行われます。その組み合わせをチェックするのも面白い。小木曽喬 ✕ 近藤智弘の同郷愛知の戦い、時松隆光 ✕ 池田勇太の心の師弟(!?)の戦い……しかし今日のバックナインは、今年の賞金王を争う金谷拓実、平田憲聖組に密着。
平田は今季3勝を挙げ、賞金王レースを引っ張っているが、金谷も先週優勝し(今季2勝目)、負けられない戦いがこの1日に凝縮するのか……。
昨年末のインタビューではお互いを評して、金谷は「憲聖は、自分のプレースタイルを知っている。イメージは、真っすぐ打って、パターがすごく安定しているから、そこから組み立てていく。自分のできることをよくわかっているからムリをしない」。対して平田は「啓太と同様オールラウンダーと言う感じで、一番はパッティングで、一番上手いです。昨年日本プロで最終日最終組で一緒にプレーして、パッティングをすごい脅威に感じるくらいでした」と言っていた。
2人とも、持ち味はステディで粘り強いゴルフ。背丈や飛距離は似ている。ラフの長い本コース、一切フェアウェイを外さない。ただし、グリーンの微妙なアンジュレーションに悩まされ、なかなかバーディは決まらない。淡々と静かに進行していく……。
こういうゴルフはゾクゾクする。ギャラリーのみなさんから時折り漏れる声は「すげっ」「確実すぎるところが自分にはまったくない」「曲がらん!」などなど。
プレー後、スコア提出した金谷拓実プロに声をかけてみた。今日のプレーに本人は納得いかない様子。
「調子は、まあまあです。ラフも長いし難しいです」といつもながら多くを語らないものの、記者とハイタッチし、気合いの目を見せて、練習場へ直行した。ここらへんの諦めない感じが、金谷拓実たるゆえんだ。
ふと見ると、その横の練習場でバンカー練習していた我らが“ゲンちゃん”こと時松隆光(※みんゴル編集部注・副編集長は週刊誌で時松プロの連載を担当)。予選会を突破しここにいるが、“心の師匠”池田勇太とのラウンドには、「ほぼ話はなかったです。でもよい緊張感で臨めてよかったかも!」と微笑みながら、「ラフが深いのはもちろん。グリーンがフックしてスライスして、みたいな感じで難しい。バーディチャンスの場所がなかなかないんです。でも18番、気合いで8メートルを沈めました。パーパットですけど(笑)。明日は少しでも上位に行けるよう頑張ります」とこちらは夕陽輝く練習グリーンへ。
明日の組み合わせは、どうだろうか。いま目の前にいるツーサムのこの2人のプロが何を思って戦っているのか――勝手に想像しながら観戦するのも楽しい。
米大リーグ、ドジャースとパドレスの勝負もついたことだし、今日はぜひ、伝統の東京ゴルフ倶楽部へ。痺れる最終決戦が見れるはず。傍にはスタンプラリーも、お忘れなく!