パッティングにおいて重要なライン読みを習得するには「真っ直ぐのラインを探すこと」と語るのは、シード権獲得を目指すルーキーの菅楓華らを指導する平田智コーチ。真っ直ぐなラインの探し方からスライス・フックの曲がり幅について教えてもらった。

教えてくれた人/パッティング専門の平田智コーチ

画像: 平田智パッティング専門コーチ(左)右は天本ハルカ

平田智パッティング専門コーチ(左)右は天本ハルカ

エンジョイゴルフ ゴルフスタジオ&パッティングラボラトリー福岡でツアープロからアマチュアまで教える。女子プロの菅楓華や今年ステップ・アップ・ツアーを制したアマチュアの都玲華を教える。

ラインを読むためにやってほしいこと

今回はレッスンの際に必ずと言っていいほど聞かれるライン読みに関するお話しをさせていただきます。

スタジオで実際に傾斜があるグリーンを使用してラインを読んでもらうと、ボールの曲がる方向や曲がる幅がかわからないというケースが多くあります。

ライン読みは傾斜を見た目で判断する場合がほとんどですが、例えばカップ奥の背景に傾斜があると錯覚を起こすこともあり、見た目だけの判断では難しいものです。そこで足を使って傾斜を感じる方法を紹介します。

足を肩幅くらいに広げて足踏みしてみてください。左右に傾斜がある場合は、低いほうに体重がかかりやすいことを感じられると思います。その際の注意点は足踏みは2、3回程度で終わらせること。何度も同じところで繰り返してしまうと体が慣れて体重のかかり方を感じにくくなってしまうため、早い段階で判断することが大切です。

画像: コリン・モリカワもボールをセットする前に肩幅で立ち、足で傾斜の度合いを判断している(写真は2024年のツアー選手権 撮影/Blue Sky Photos)

コリン・モリカワもボールをセットする前に肩幅で立ち、足で傾斜の度合いを判断している(写真は2024年のツアー選手権 撮影/Blue Sky Photos)

片方の足で感じる体重のかかり方が大きいほど、傾斜が強く曲がり幅も大きくなるので、まずは練習グリーンで足を使って傾斜を感じた後に打って、曲がり幅を確かめるという練習を試してみてください。

そしてもう一つラインを読むためにやっていただきたいことは、カップに対して左右の傾斜のない真っ直ぐかつ上りのラインを探すということです。

まずは朝の練習グリーンに上がったら足踏みをして左右の傾斜を測り、カップに対して真っ直ぐで上りの場所を探してみてください。

時計で例えると、真っ直ぐ上りのラインを6時とすると12時が真っ直ぐ下りのラインになります。そうすると6時と12時の真っ直ぐのラインよりも左側はスライスライン、右側はフックラインということになります。更に6時と12時に近いラインほど曲がり幅が少ないということもわかります。

画像Aはカップに対して5つの位置からのカップインするための狙いのラインを出しています。③が時計でいう6時の真っ直ぐ上りラインなので狙いはカップの真ん中です。

画像: 画像A 足踏みをして左右の傾斜を測り真っ直ぐで上りのライン3を探す。そうすると右側の4と5はフックラインになり、左側の1と2はスライスラインとなる

画像A 足踏みをして左右の傾斜を測り真っ直ぐで上りのライン3を探す。そうすると右側の4と5はフックラインになり、左側の1と2はスライスラインとなる

③よりも左に位置する②の狙いは曲がり幅の少ないスライスラインになり、①は②よりも曲がり幅の大きいスライスラインという形になります。逆も同じで④は少し曲がるフックラインで⑤は④よりも大きく曲がるフックラインという具合に、真横の3時と9時のラインに近づくほど曲がり幅は大きくなります。

もちろんこれは距離が短く、ある程度傾斜が一定な場合の考え方なので、カップまでの距離が長いロングパットになると傾斜も一定ではなく様々な要素が入ってきます。

しかしカップ周辺の1〜2メートルの距離では傾斜が一定な場合が多いので、ロングパットではボールスピードが落ちてくるカップ際の傾斜こそボールの曲がりに影響を受けやすいためライン読みの参考になると思います。

上記のことを意識していただくと、曲がる方向と曲がり幅が読めるようになりますので是非参考にしてみてください。

文・写真/平田智(パッティング専門コーチ) 
取材協力/エンジョイゴルフ福岡

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