勝又崇之(左)
専修大学卒業後の08年プロテストでトップ合格。ギアへの造詣も深く、自らの試打データを弾道計
測器並みの正確さで予想できるほど。現在は「GOLF PLACE」でレッスンも行う。
山崎康寛(右)
ツアープロや競技アマから絶大な信頼を集めるカリスマクラフトマン。練馬区上石神井でインドアレッスンスクール&練習場「GOLF PLACE」を主宰。自らのショップ&工房も併設。
小祝さくら
メルセデス・ランク:4位/年間獲得賞金:2位(1億5083万5075円)/平均ストローク:4位(70.1216)/ドライビングディスタンス:9位(252.81Y)/フェアウェイキープ率:50位(65.4519)
「左へのミスを消したい意図が伝わってくる」(勝又)
先週発売されたばかりのスリクソンの新ドライバー「ZXiシリーズ」。4種類のヘッドがラインナップされ、女子プロも続々と実戦投入している。今回はその中で、いち早く新クラブにスイッチした小祝さくらのドライバーを再現したところ、その意図がはっきりと感じられた!
オートマチックにフェードが打ちやすい
シャフト:50S/45.5インチ
◎バランス/D1◎グリップ/ゴルフプライド MCC TEAMS PLUS4◎ボール/スリクソン Zスター XV
「小祝選手が使う『ZXi LS』は逃げ顔で、シャフトもしなりはありますが、そんなにつかまるタイプではない。さらにグリップの右手部分の下巻きを3重にして太くしています。右手部分を太くすることで、右手が悪い動きをできなくなる。これらの要素を組み合わせることで、左に振っていっても戻ってくるようにして、彼女の持ち球であるフェードをオートマチックに打ちやすくしているんだと思います」(山崎)
ナイスショット5球の平均
・HS:43.1m/s
・キャリー:218.3Y
・飛距離:235.7Y
・初速:62.1m/s
・打ち出し角:10.4度
・高さ:25.0Y
・スピン量:2563rpm
「小祝プロは『LS』の9.0度を弾道調整機能で0.5度立てて使用しています。構えてみると逃げ顔でフェース面も見えないほど絶壁。かなり屈強そうに見えますが、打ってみると球も上がるしやさしい。この顏だといかにも『ドローを打ってください』みたいな感じですが、フェードを打とうとしても、左に振り抜くだけで球が戻ってきてくれる。見た目だけでいうと、アスリート好みで難しく感じますが、実際はかなりやさしい組み合わせだと思います。アッパーで振る人なら、ヘッドスピードが30m/s台後半の人でも使えると思うし、左に引っかけるミスが多い人には最高の組み合わせです」(勝又)
試打後の印象
「見た目はハードそうなアスリート受けする形状のヘッドですが、球が上がってくれるしかなりやさしい。逃げ顔でドローも打ちやすいですが、フェードがオートマチックに打ちやすく感じました」(勝又)
古江彩佳
メルセデス・ランク:8位/年間獲得賞金:43位(2731万1126円)/平均ストローク:1位(69.7727)/ドライビングディスタンス:1位(245.58Y)/フェアウェイキープ率:1位(73.3766)
CMEポイント:4位/年間獲得賞金:4位(266万138ドル)/平均ストローク:3位(70.03)/ドライビングディスタンス:134位(250.47Y)/フェアウェイキープ率:5位(82.01)※米女子ツアーのスタッツ
「HSに関係なく幅広く使えるアマチュアはぜひ参考に!」(勝又)
シャフト:50S/45.0インチ
◎バランス/D1◎シャフト/イオミックMoebius1.8◎ボール/ツアーB XS
7月のアムンディ・エビアン選手権で海外メジャー初優勝を飾った古江は今年の初めから、ブリヂストンの新ドライバー「B3 MAX(9.5度)」にヘッドをチェンジ。シャフトは引き続き「スピーダーNXグリーン」を使用しているが、昨年から飛距離が7ヤード伸びたという。そんな古江のドライバーを再現!
誰が打ってもやさしく飛ばせる
「クラブを短く、軽くして振りやすさを重視した組み合わせ。短いぶん、一発の飛びは落ちますが、確実にフェアウェイをとらえて、その中で最大限飛ばしたいという意思が伝わってきます。シャフトもクセがないので、自分で球をつかまえにいくというより、クラブが勝手につかまえてくれる。グリップも軽めのモデルで、しっとりしていて握りやすいわりにトルクが少なくて方向性を出しやすい。かなりやさしい組み合わせですが、HSが速い人でもスピン量はそこまで増えないので、幅広いゴルファーが使えると思います」(山崎)
ナイスショット5球の平均
・HS:42.8m/s
・キャリー:208.7Y
・飛距離:231.2Y
・初速:60.9m/s
・打ち出し角:9.8度
・高さ:20.1Y
・スピン量:2637rpm
「シャフトはツアーでの使用率が高いだけあって振りやすく、『B3 MAX』は大きめのつかまり顔。ちょっとアップライトでつかまるイメージが持てるし、慣性モーメントが大きくてやさしい。フェースのミーリングのおかげか、ボールがくっつくような軟らかな打感でコントロールしやすいのに
初速はしっかり出る。フェースローテションなど余分なことをせずにオートマチックにドローが打て
て、曲がらずに思ったところにボールが運べて、なおかつ飛ぶ。アマチュアの方に参考になる、王道のスペックだと思います」(勝又)
試打後の印象
「『スピーダーNXグリーン』は国内女子ツアーでの使用率が高いだけあって、ものすごく振りやすい。ヘッドが大きい分、実際の長さよりも短く感じるので、もう少し長くても全然いける。フェースのどこに当たっているか分からないくらい、やさしい組み合わせだと思います」(勝又)
PHOTO/Takanori Miki、Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa
THANKS/GOLF PLACE
※週刊ゴルフダイジェスト11月26日号「女子プロのドライバー打ってみた!」から一部抜粋
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誌面では、男子顔負けの原英莉花、ヘッドスピード46m/s越えの小林夢果などを調査している。ヘッドスピード帯やクラブバランスなど、アマチュアゴルファーにとても有益な情報! 続きは週刊ゴルフダイジェスト11月26日号、またはMyゴルフダイジェストをチェック!