ツアー解説でおなじみの佐藤信人プロ。今回は開幕戦のザ・セントリーでツアー通算11勝目を飾った松山英樹のマスターズ優勝から開幕戦優勝までの6勝した試合を振り返ってもらった。
画像: 「松山くんのリベンジ能力にも注目。これまで2位は7回ありますが、そのうち4大会で後に優勝を果たしています。また、17年にJ・トーマスに惨敗した全米プロの舞台クエイルホロークラブで今年は全米プロが行われます。ここでのリベンジにも期待したいですね」と佐藤プロ(PHOTO/Blue Sky Photos)

「松山くんのリベンジ能力にも注目。これまで2位は7回ありますが、そのうち4大会で後に優勝を果たしています。また、17年にJ・トーマスに惨敗した全米プロの舞台クエイルホロークラブで今年は全米プロが行われます。ここでのリベンジにも期待したいですね」と佐藤プロ(PHOTO/Blue Sky Photos)

前号に続き松山(英樹)くんの、ファンを魅了するプレーぶりについて。PGAツアー11勝中の5勝目までの勝ちっぷりをお話ししましたが、6勝目は21年のマスターズです。

最終日、11番終了時点で2位に5打差でしたが、15番で奥の池に入れボギーとし2打差に。16番もボギーの嫌な流れでしたが、決してやさしくない17番のティーショットを素晴らしいドローボールでフェアウェイをとらえたとき、優勝しそうだなと思いましたし、17年の全米プロ後から取り組んできたスウィング改造があの一打に集約されているようにすら感じました。

日本人初のメジャー勝利という偉業もさることながら、4日間72ホールで印象に残るショット、シーンを数多く見せてくれました。アメリカのコアなゴルフファンも、「サムライ・ヒデキ」を再認識したはずです。

7勝目はZOZOチャンピオンシップ。最終18番、残り244ヤードを5Wでピンの根元に突き刺したショットは、今も鳥肌が立つほどです。

そして8勝目は翌年1月のソニーオープン。5打差を追ってハーフターンするも、プレーオフに持ち込んでの逆転劇。18番ホールは、かつてハワイアンオープンで、青木功プロが奇跡のカップインで優勝した舞台。そこでのイーグルでの決着は、日本人にはたまらないシーンでした。

9勝目は昨年のジェネシス招待での6打差逆転劇。3回の3連続バーディで2位に3打差をつけるという圧勝は、また違うレベルに上がったと感じさせるには十分でした。

10勝目はプレーオフシリーズ初優勝となったセントジュード選手権。当人が「吐きそうだった」という手に汗握る接戦を制しての優勝も、見応えのあるものでした。

そして今年の初戦、PGA記録を塗り替える、35アンダーでのザ・セントリーが11勝目となりました。

松山くんのさらなる飛躍のきっかけとなったのは、昨年のパリ五輪とプレジデンツカップにあるように思えます。日の丸を背負って戦った五輪の銅メダル、プレジデンツカップの最終日個人戦で世界ランク1位のスコッティ・シェフラーに競り勝った自信は、大きな財産となっていることでしょう。

とかく個人競技と言われるゴルフですが、何かを背負い戦うのもゴルフの魅力です。PGAの選手のライダーカップやプレジデンツカップへの熱い思いを見れば、少しは理解できるのではないでしょうか。ちなみに松山くんはオリンピックもそうですが、ブリヂストン、ZOZO、ソニーと日本企業の冠の付いた大会、またリビエラでのジェネシス、カパルアでのザ・セントリーと日本人オーナーのコースで勝つんです。

これも本人は口に出さずとも”日本”を背負って戦っていることの証しかもしれません。この辺もまた、アメリカのゴルフファンにはサムライのように映り、その人気を上げている要因になっているのでしょう。

【関連記事】松山英樹の初優勝から5勝目までの勝ちっぷりはこちら! 松山英樹の11勝目は35アンダーの新記録! いまでも語り継がれる「印象的な優勝シーン」を振り返る【佐藤信人アイズ】

※週刊ゴルフダイジェスト2025年2月11日号「さとうの目」より

松山英樹の勝ちっぷり

This article is a sponsored article by
''.