教えてくれた人/パッティング専門の平田智コーチ

平田智パッティング専門コーチ(左)右は菅楓華
エンジョイゴルフ ゴルフスタジオ&パッティングラボラトリー福岡でツアープロからアマチュアまで教える。女子プロの菅楓華や今年、アマチュアでステップ・アップ・ツアーを制し、プロテストに合格した都玲華を教える。
タッチが合わない人はボールを見ずに打ってみよう!
これまでも様々な方法で距離感を合わせるための練習方法などをご紹介させていただきましたが、それでも距離感がどうしても合わないという場合は、ボールを見ずにカップを見たまま打つ方法をお勧めします。
昨シーズンは堀琴音プロが同じ方法でパッティングをしていたり、PGAでもパター巧者として知られるジョーダン・スピースもカップを見ながら打つことがありますが、カップを見ながらパッティングをするメリットはどこにあるのでしょうか。

カップを見ながら打つスタイルでシード権復活を手にした堀琴音(写真/姉崎正)
一番のメリットは、やはり距離感が出しやすい点にあります。例えばゴミ箱にゴミを投げ入れるときやスポーツで言うと野球のキャッチボール、バスケットボールのフリースローなど手元を見ずにターゲットを見ながら行います。これを逆にターゲットを見ずに手元を見て行うと距離感を合わせるのがとても難しくなるのです。
実際にレッスンでもロングパットを①ボールを見て打つ場合と、②カップを見ながら打つ場合を比べるとカップを見ながら打ったほうがカップに寄ることが多くあります。

ロングパットでカップを見ながら打つ練習をすることで距離感を合わせやすくなるという(写真/姉崎正)
そして距離感の出しやすさ以外にもパンチが入りやすい人は、ボールを打とうとする意識が強くインパクトで加速しやすいのですが、ターゲットを見ながら打つとボールへの意識が薄れるため、振り子のようなスムーズなストロークになり、インパクトで急な加速をしなくなるというメリットもあります。
以上のことからカップを見ながらのパッティングをすることでタッチコントロールが改善されることがあるのです。
しかしデメリットもあります。やはりボールを見ずに打つと芯を外してしまうこともあります。芯を外してしまうとフェース面がブレてしまい、打ち出し方向がズレてしまう可能性が高くなってしまいます。
そのためタッチよりも方向性が重要なショートパットではボールを見て打ち、ロングパットはタッチを優先にカップを見ながら打つ、というやり方を取り入れてみるのも良いでしょう。この方法を練習として取り入れて続けていくと、距離感のイメージが出やすくなってくるので慣れてくるとカップを見ながら素振りをするだけで今までよりもタッチのイメージが出やすくなります。
まずは練習グリーンで試していただきボールを見て打つよりもカップを見ながら打つ方が寄る場合は是非実戦でも試してみましょう。
文/平田智(パッティング専門コーチ)
取材協力/エンジョイゴルフ福岡