
解説/堀越良和プロ
試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属。
グリップ交換は冬が適している
グリップを何年も替えないというゴルファーは結構多い。まだ使える、スコアに影響ない、お金が
掛かるなどの理由を並べるが、これらの理由は基本的に誤りであると堀越良和プロは指摘する。
「グリップは見た目が顕著に変形するものではないので、長く使っても、まだ使えると思うわけ
ですが、経年劣化によって機能性は損なわれていきます。素材の進化で耐用期間が伸びたとはいえ、
できれば年に1回の交換を勧めます。私はウェッジのように使用頻度が高いクラブは最低年に2回は
交換します」
理由は素材の劣化・硬化だ。雨や紫外線の影響も大きいが、一番は人間の皮脂。油だから放ってお
くとグリップが滑りやすくなり、スウィングにズレが生じるようになる。スコアに影響ない、という
のも大間違いだ。

人気4メーカーをチェックしてみた!
「滑る感じがあると、どうしてもグリップに力が入るので、スムーズなスウィングがしづらくなりま
す。一番顕著なのが芯を外したショットのときで、例えばフェースのトウ側で打ったときに衝撃でグリップが緩み、フェースが開いてボールが右にすっぽ抜けるということはよくあることです」
ウッドやアイアンのグリップの右手の親指が当たる部分が凹んでいる人は多いが、前述のように滑
るのを防ぐため、無意識に握りが強くなっているのかもしれない。グリップ交換でスウィングが良くなる可能性は大いにあるだろう。
「特に冬場はグリップの硬化と手指のかじかみが重なり、緩むことが多いので、冬場はグリップ交
換時期としてはお勧めです。私は毎年、暮れに交換して新しいグリップで新年を迎えますが、新品
の感触の良さも手伝い、メンタルも上がってナイスショットが出るという効果もあると思います」
グリップ交換はお金が掛かる(全番手換えると2~3万円くらい)ので躊躇する人は、まずは中性洗剤やリンスインではないシャンプーで洗浄すると皮脂と埃が取れてしっとり感が蘇る。それでも劣化が酷いという場合は、交換をしてみよう。
グリップを定期的に替えたほうがいい理由▶経年劣化で固まってしまうから
「グリップは新品から2カ月くらいまでがベストの状態で、以降は次第に劣化します。硬化や滑りを感じたら交換時期。基本的にパター以外は同じモデルをお勧めします」(堀越プロ)
ゴルファーであれば自分で交換できるようになりたい
グリップ交換を自分でできるようになれば、交換費用を大幅に抑えることできる。工房などで、交換する場合はグリップの購入費用に加えて工賃が発生するからだ。ネットでグリップを購入し、店舗に
持ち込んだ場合には、グリップ1本分と概ね同額程度の工賃が発生するため、自分で交換することができれば、およそ半額ほどのコストでグリップ交換が可能になる。
やり方を覚えてしまえば、そこまで作業も難しくないため、この機会にグリップ交換の手順を覚えておくといいだろう。また、大型量販店などでカード会員の特典として、交換費用が無料になることもあるので、自分で替えるのに抵抗がある人は調べてみるといいだろう。

「交換費用が大幅に安くなります」(堀越プロ)
後編では実際に4メーカーのグリップを試打! 結果やいかに。
つづきはこちらから
TEXT/Masaaki Furuya
PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/クレアゴルフフィールド
※週刊ゴルフダイジェスト2月18日号「人気グリップの実力チェック」より一部抜粋