
タイガー・ウッズのアパレルブランド『サンデーレッド』のアンバサダーに就任したカール・ビリップスがルーキーでツアー優勝を果たした(PHOTO/Getty Images)
ビリップスは、タイガー・ウッズのアパレルブランド『サンデーレッド』のアンバサダーに就任したばかりの23歳。インドネシアで生まれオーストラリアで育ち、6歳でクラブを握ると神童の名を欲しいままにした人物だ。
ビリップスに白羽の矢を立てブランドの顔に任命したタイガーも「ツアーで近い将来活躍するのは間違いない。未来のスター候補」と太鼓判を押していたが、その予言がこんなに早く的中するとは。
憧れの先輩の母校スタンフォード大を一昨年卒業しPGAツアーユニバーシティのランキング10位で昨季コーンフェリーツアー(下部ツアー)に参戦。1勝し新人賞にも輝くと1シーズンでレギュラーツアー昇格を果たした。
しかし昨年12月腰痛の原因が椎間板ヘルニアだったことがわかり2カ月を治療と療養に費やし、ルーキーイヤーのスタートは2月末のメキシコオープンと出遅れた。プエルトリコはツアーメンバーになって3戦目。アマチュア時代に出た全米オープンを含めても4試合目の快挙だった。
神童たるゆえんはUSキッズ&ジュニア世界選手権を7歳、9歳、10歳、12歳で制覇し、15歳で球聖ボビー・ジョーンズと並び最年少でサザンアマチュア選手権に優勝。18年には夏季ユースオリンピックで金メダルを獲得したことで証明済み。
神童と呼ばれながら大成できなかった選手は多い。例えばアマチュアでタイトルを総なめにしながらプロでは1勝しかできなかったボビー・クランペットや、タイガーのアマチュア時代の戦績を塗り替え、天才少年と呼ばれたタイ・トライオンなど。神童がそのまま順調にスター街道を歩むほうが珍しい。
しかしビリップスは着実に神童からスターへの道を歩み始めている。もちろん目指すはタイガーだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月1日号「バック9」より