フェース面が大きく長い「つかまり顔」
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「N.S.PRO 950GH neo」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。
同シリーズのドライバーと同様に、打点ズレのミスヒットに強いヘッド性能になっている
クラブ長さが37.0インチ、クラブ重量が407.1グラムと共に標準的ですが、スウィングウェイトがD0.3とやや小さく、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントは267万g・㎠に抑えられています。計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが43m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。
ヘッドは「7シリーズ」ほどではないですが、これまでの「4シリーズ」らしく、長めのフェースと大きく見えるヘッド、そして幅の広いソールが特徴です。さらにややグースネックでボールをつかまえるイメージが出ています。

『G440』は軽いグースネックでつかまり具合が調節されている
実際に試打したところ、フェースが長く大きく、トップラインが厚いヘッドなので、特にティーアップショットで打ちやすそうな安心感があります。試打シャフトは軽量スチール仕様ながらも、適度なしっかり感があり、ヘッドスピードが42〜43m/sくらいのゴルファーが扱いやすいです。
フェース面に軟鉄よりも硬いステンレスが使用されており、打感が硬くインパクト音は高いです。インパクトではパチン感があり、フェース面の弾き感がほどよい感じです。
リアルロフト角が29度設定と通常の6番のようなストロングロフトで、飛距離性能重視であることがわかります。
ヘッドの重心距離が非常に長い設計から、左右の慣性モーメントが大きく、ミスヒットに対する強さを持っているアイアンです。ただし、ヘッドの操作性が判断できるネック軸回りの慣性モーメントが非常に大きいため、ダウンスウィングでのヘッドの返りが非常に緩やかです。インパクトでフェースが開いて当たりやすいため、意図的にボールをつかまえに行ってちょうどいい感じです。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年5月6日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より