7Iでロフト30度が市民権を得てきた今どきのアイアン事情。7Iで27度以下なんて……。「アイアンは飛ばすものじゃない」と”激飛び”を否定するゴルファーがいるのも事実。だけど、70%の力でラクに150Yを打てればスコアメイクもラクになる。また、打ち比べたら「激飛び=飛距離だけ」ではないこともわかり、もう手にしない理由はなさそうだ! 週刊ゴルフダイジェスト4月29日号ではアイアンを打ち比べを特集。「みんゴル」では2回に分けてご紹介。【2回中1回目】
画像: 鍛造ボディや端正なルックスで昔の“激飛び”とはひと味違う?【7Iでロフト27度以下の“激飛び”アイアン打ち比べ①】

フィッターの山﨑康寛さんと勝又崇之プロ
山﨑さんは多くのプロのクラブも指南するスタジオCGA主宰。ギアに造詣が深く、細かな違いも見逃さない勝又プロ

3つの進化

7番アイアンでロフト27度以下のいわゆる“激飛びアイアン”。以前の激飛びモデルと全く違う印象を持ったと山﨑氏。

「激飛びアイアンというと、ロフトが立っているため、ヘッドの重心を下げる必要があった。そうしないと球が上がりませんからね。さらにシャフトも長尺のカーボンにすることで、飛距離と高弾道を両立していたんです。そのためソールを幅広にして、シャフトの長さは7Iで37インチ以上にしていました。『激飛びは意外と扱いが難しい』と言われてきたのはそこに原因があります。けれど、今どきの激飛びアイアンは、ダウンブローにさえ打てればしっかり飛ぶモデル、芯にさえ当たれば激飛びのモデル、これまで通り、幅広ソールでソールを滑らせて飛ぶモデルなど、より細分化されてきました。ダウンブローにさえ打てればスピンが入るし球も上がるし飛ぶ。なので、ソールを細くして見た目をスッキリさせることができるなど、+αのストロングポイントを加えているんです。このように、細分化することで、より幅広いゴルファーにマッチできるようになったのが進化の形ですね」

進化①
鍛造仕上げ、シャープな面構成中上級者も満足できる見た目

幅広ソールや、エグれたキャビティなど以前の激飛びモデルは“いかにも”が多かった。しかしこの2本のように、見た目では判別しづらいモデルが増えた。さらにボディに軟鉄鍛造を使うなどアスリートも満足できる仕上がり。キャディバッグに挿しても気恥ずかしさはない

画像: バックフェースのデザインがスッキリのプロギアと、FORGED”の刻印が誇らしいフォーティーン

バックフェースのデザインがスッキリのプロギアと、FORGED”の刻印が誇らしいフォーティーン

進化②
打感がすこぶる良くなった

進化①で伝えた通り、ボディに軟鉄鍛造を使うなど打感もすこぶる良くなった。「激飛びは球離れが早くて、カーンという打音とともに弾く印象を持っていたのですが、大きく改善しているように感じます」(勝又)

画像: フェースに乗っている時間が長い

フェースに乗っている時間が長い

進化③
より細分化された

以前は激飛び=力のないアベレージゴルファー専用だった。「今は芯に当てるのは得意だけど飛ばない人、ダウンブローに打てるけど飛距離が欲しい人など競技志向の人にも合うモデルが出てきました」(山﨑)

画像: インプレスは激飛びが2モデルある

インプレスは激飛びが2モデルある

勝俣プロが断言。飛距離だけじゃない激飛びアイアンのストロングポイント

ロフトが立っているため、飛距離が稼げるのが激飛びの魅力だ。しかし勝又プロいわく、ロフトが立っていることのメリットはそれだけではないようだ。

スコアラインがスクエアに近く方向性を出しやすい
ロフトが寝ているとエッジ上のスコアラインが外へ向いているように見える。ロフトが立っているとスコアラインはターゲットに対してスクエアに近づく。

画像: スクエアに構えやすいというメリットも

スクエアに構えやすいというメリットも

過度にスピンが入らない分曲げても曲がり幅が少ない
ロフトが立っている分スピン量が減るのが激飛びの弱点と言われている。逆を言えば、スピン量が抑えられる分、スライスやフック球の曲がり幅が減る。

画像: 一般的なコースは2打目から左右幅が狭くなる

一般的なコースは2打目から左右幅が狭くなる

重心が深いためミスヒットに強い
ロフトが立っていても高弾道にするため、多くの激飛びモデルは重心が深く設計されている。そのためスイートエリアが広くなりミスヒットにも強い。

画像: G730はヒールヒットに強い!

G730はヒールヒットに強い!

打ち比べる前に…「いま激飛びモデルは振り方で選び方が変わります」(勝又)

飛びアイアンが細分化されたことで、自分のスウィングにはどういったモデルが合うのかを見極めることが大事だと勝又プロ。

「大きく分けると2つ。上から打ち込む人と、払い打つ人で選び方が変わります。それを把握していないと『ダフる』『球が上がらない』といったことが起きやすくなります。見極めていただきたい部分がソールです。幅広でもリーディングエッジが削られていると上から打ち込む人向き。反対にソール幅が狭めでもフラットな形状ならば払い打つ人に向いています。例えばリーディングエッジが削られたモデルを払い打つ人が打つと接地面積が少ない分、インパクト時の安定感が減ります。反対にフラットソールで上から打ち込むとエッジが突っかかって抜けが悪い。なので、顔よりも打感よりもまずはソールを見てほしいですね」

画像: ターフが取れれば上から打ち込む人

ターフが取れれば上から打ち込む人

「上から打ち込む人」向き

上から打ち込む傾向のゴルファーは抜けが大事。ソールが削られていることで、インパクト後にスムーズにヘッドが抜けてくれる。深いラフでもヘッドを入れやすく操作性も高い。

画像: 抜けの良さがポイント

抜けの良さがポイント

 ラフからも抜けが良く、打ち込むとスピンも入る
× 払い打つとインパクトでの安定感が低い

「払い打つ人」向き

接地面積が大きいフラットソールは、球の少し手前に入ってもバウンス効果でソールが滑り、安定したインパクトを迎えられる。バウンスを効果的に使える分、ヘッドスピードも上がる。

画像: アーリーリリースでもソールが滑ってくれる

アーリーリリースでもソールが滑ってくれる

 接地面積が大きく安定する
× 深いラフなどでの抜けが悪い

▶【7Iでロフト27度以下の“激飛び”アイアン打ち比べ②】

PHOTO/Tomoya Nomura、Tadashi Anezaki
THANKS/StudioCGA

※週刊ゴルフダイジェスト4月29日号「アイアン打ち比べ」より一部抜粋

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