暑さとゴルフ、その相関関係の研究が進んでいる。関東ゴルフ連盟(KGA)のゴルフ振興委員会医学部会は、このほど日本のアマチュアゴルファーの熱疲労関連症状の有無には健康要因がもっとも強く関連するということを発表した。この研究成果は体温関連科学分野で国際的に権威のある論文誌「Temperature」に、6月中旬に掲載された。
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KGAのホームページには以下のようなことが記載されている。近年、夏場の高温・湿度条件下でのラウンドが熱中症リスクを増加させる可能性があると指摘されている。

これまでの研究では、さまざまなスポーツ選手を対象に、自己記入式アンケートを用いて熱疲労(EHE)関連症状の経験(熱中症の初期症状)に関する研究が行われ、要因が明らかにされてきた。しかし、ゴルファーにおけるEHE関連症状とその要因については不明。本研究では関東のアマチュアゴルファーを対象に、EHE関連症状の経験とその要因を明らかにするため、研究を実施したという。

2024年9~11月、446名を対象にウェブベースによるアンケート調査を実施。基本属性、生活習慣、健康要因、環境要因、食習慣およびEHE関連症状として多変量ロジスティック回帰分析(複数の要因を用いてある事象が発生する確率を予測する統計的手法)を行った。その結果、EHE関連症状には複数のリスク要因が関連している可能性が示された。その中でも健康要因がもっとも強い関連性を示し、以下の順で関連性が高い結果になった。

①喉の渇き、②睡眠不足、③食欲不振、④蓄積した疲労およ及び精神的ストレスの順だ。

さらに、生活習慣(ゴルフの平均ラウンド数)と、EHE関連症状との間にも関連性が示された。本結果は、ゴルファーはラウンド前に健康状態を評価し、特に高温時にはスケジュールを調整することで、熱中症のリスクを最小限に抑えられる可能性があることを示唆しているという。

同医学部会は「高温時における具体的な行動指針(ガイドライン)」を策定し、加盟コースに公開するとともに、昨年、埼玉と群馬のゴルフ場で講習会も実施している。平たく言えば、ラウンド前に自分の健康状態をチェックし、違和感を覚えたり、気温の数字より自分の体感で、暑く感じたらラウンドをやめる勇気を持つことが必要なのだろう。

熱中症にはくれぐれも用心を。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年7月22日号「バック9」より

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