レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーの練習法」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本64】
画像: ドライバー上達の効果的な練習法は「ハーフスウィング」

ドライバー上達の効果的な練習法は「ハーフスウィング」

ドライバーも「ハーフスウィング」で練習しよう

画像: ドライバーでハーフスウィングをするのもいい

ドライバーでハーフスウィングをするのもいい

原田 前回はドライバーを打つときの体重のかけ方について説明しました。今回はドライバーを上手に打ちこなすドリルを紹介しようと思います。それはドライバーのハーフスウィングです。

GD ドライバーでハースウィングですか。この連載は1年ちょっと前にアイアンのハーフスウィングからスタートしました。だからハーフスウィングの重要性は理解しているつもりですし、あれからずっと練習場で最初の10分くらいをハーフスウィングに充てているので、しっかりと覚えていますが、ドライバーでハーフスウィングをするのもいいんですね。

原田 ドライバーでもアイアンでもハーフスウィングのやり方の基本は一緒です。この機会にハーフスウィングの重要性をおさらいしておきましょう。これは何度やっても無駄ということはないですからね。

GD それは絶対に必要だと思います。

短い距離を真っすぐ飛ばす

画像: 短い距離を真っすぐ飛ばす練習をすれば、ミート率が上がって飛距離も伸びる

短い距離を真っすぐ飛ばす練習をすれば、ミート率が上がって飛距離も伸びる

原田 フルスウィングを100%としたら、ハーフスウィングというのは80%。全体の8割を占めているわけです。その完成度を上げることがアイアンでもドライバーでも正しいスウィングを作っていくための近道になります。例えば初心者の人にいきなり大きな動きをさせたらメチャメチャになっちゃうんです。だからまずは距離を求めずに短い距離を真っすぐに飛ばす練習から始めていくんです。

GD それがドライバーの正しい打ち方をマスターする上でも有効なんですね。

原田 そうです。アマチュアがドライバーを上手に打ちこなせない原因の一つはね、力いっぱい振りすぎてしまうことです。でもドライバーでハーフスウィングをやったら振りすぎることはありませんよね。それでもドライバーで打ったらボールはかなり飛ぶんです。これを繰り返しやっていくうちに脳がドライバーって振りちぎらなくても飛ぶんだということを理解するようになるんです。そうなったら適正な力加減で振っていけるようになるんです。

GD ドライバーでもかなり効果があるんですね。

クラブを棒ではなく、紐をイメージして振ること

画像: 「クラブを棒というイメージじゃなく紐のようなイメージで扱ってほしいんです」(原田プロ)

「クラブを棒というイメージじゃなく紐のようなイメージで扱ってほしいんです」(原田プロ)

原田 ドライバーは上手い人ほど力が入っていないんです。ドライバーはクラブの中で一番軽いでしょう。その軽いということを理解してほしいんです。だから力は要らないんだなってね。それとね、シャフトが一番長いんです。長いからしなりが大きいわけです。もともと力を入れなくても飛ぶようにできていますから、クラブを棒というイメージじゃなく紐のようなイメージで扱ってほしいんですね。

GD 紐、ですか。確かに紐だと考えれば余計な力が入らないかな。そういうことも意識してドライバーのハーフスウィングを今やってみますね。

バックスウィングもフォローも「シャフトを地面と平行」

画像: 「ハーフスウィングの大きさは、右へ上げるとき(バックスウィング)にクラブのシャフトが地面と平行、左へ振るときもシャフトが地面と平行まで振ります」(原田プロ)

「ハーフスウィングの大きさは、右へ上げるとき(バックスウィング)にクラブのシャフトが地面と平行、左へ振るときもシャフトが地面と平行まで振ります」(原田プロ)

原田 先ほどいつも練習でやっていると言っていたけど、忘れちゃいましたか? では、ここでもう一度基本的な動きを説明しておきましょうか。ハーフスウィングの大きさは、右へ上げるとき(バックスウィング)にクラブのシャフトが地面と平行、左へ振るとき(フォロー)もシャフトが地面と平行まで振ります。クラブを上げる位置は、右へ上げるときは体の横です。体の前や後ろはNGです。左へ振るときも、体の横に振ります。真後ろから見たときに、グリップとヘッドが重なってシャフトが見えない状態なら合格です。フェースの先は下に置いたら体の正面方向を向きますが、右に上げたときは上に向くようにします。左へ振ったときも上を向くように振ります。フィニッシュではクラブのグリップエンドがおへそと向かい合うようにしてわきが締まります。自分の体を中心にして左右対称に振る感覚ですね。

GD  そうでしたね。アイアンのハーフスウィングは前に勉強した体幹ターン(体重移動と体の回転)で打っていくことが重要でしたが、そこはドライバーの場合も同じですか?

原田 もちろんです。ドライバーでも体幹ターンを使ったハーフスウィングにしっかりと取り組めば、正しいスウィングのベースができます。そこまでやみくもに振っていた人がハーフスウィングをマスターできれば確実に上達しますよ。

GD ドライバーのハーフスウィングを練習するとして、ドリルとしてのポイントは何ですか?

力まないで体の動きを確認する

画像: バックスウィングでシャフトは地面と平行を意識するが、ヘッドの重みや反動でシャフトとヘッドが少し上がるぐらいはOK.。力まないで振ることがもっとも大事

バックスウィングでシャフトは地面と平行を意識するが、ヘッドの重みや反動でシャフトとヘッドが少し上がるぐらいはOK.。力まないで振ることがもっとも大事

原田 力まないこと、体幹ターンを意識した体の動きを確認すること、そして飛ばさないことです。

GD  ドライバーで飛ばさないとは?

原田 飛ばそうとしたら、力みが出ます。スウィングも無駄な動きが出て、スウィングバランスは悪くなります。100ヤード飛ばすだけでOK。ボールの高さは目線ほどでいいです。フェースの芯でとらえて、真っすぐボールが飛んでいくかどうか。その確認をするのがドライバーのハーフスウィングドリルのポイントになります。

GD ボールを飛ばさないことがボールを飛ばせるようになる秘訣であると?

原田 そういうことです。ハーフスウィングはスウィングの80%をマスターするスウィングです。ボールが100ヤードしか飛ばなくても、フルスウィングすれば200~240Yは飛ぶようになります。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 都留グリーンゴルフ、梅里CC

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