上り・下りといった傾斜のあるグリーンでは、距離感を合わせるのが難しい。25年の開幕戦から活躍中の菅楓華らを指導する平田智コーチに、傾斜も加味したうえでタッチを合わせるコツとおすすめの練習法を教えてもらおう。

教えてくれた人/パッティング専門の平田智コーチ

画像: 平田智パッティング専門コーチ(左)右は菅楓華

平田智パッティング専門コーチ(左)右は菅楓華

エンジョイゴルフ ゴルフスタジオ&パッティングラボラトリー福岡でツアープロからアマチュアまで教える。女子プロの菅楓華や昨年、アマチュアでステップ・アップ・ツアーを制し、プロテストに合格した都玲華を教える。

「傾斜グリーン」での距離感のつかみ方 上り・下りで何を意識すべきか

パッティングにおいて最も重要なのが距離感ですが、難易度を上げる要素のひとつが上りや下りの高低差です。平坦なラインならタッチの感覚が合っていても、上りや下りになると急に距離感が合わなくなり、ショートやオーバーが増えてしまいます。特にアマチュアゴルファーは「傾斜で転がりが変化する」という意識が薄く、普段のストロークのまま打ってしまうことでミスを重ねるケースが多いのです。

画像: ボールとカップを結んだ後方線上でタッチをイメージした素振りをする菅楓華(写真/中村修)

ボールとカップを結んだ後方線上でタッチをイメージした素振りをする菅楓華(写真/中村修)

上り・下りのタッチ合わせはストローク幅で調整する

まず上り傾斜では「カップまでの距離以上の強さが必要」になります。ボールは登り坂でエネルギーを奪われるため、平坦よりもしっかりと打たなければ届きません。しかし、逆に「届かせよう」という意識でインパクトを強く入れてしまい、パンチが入ったり、フェースがブレて方向性を失いやすいのが上りの落とし穴です。理想は「ストローク幅を大きくする」ことで強さを補うこと。決して手先で急加速しないよう注意する必要があります。

一方、下り傾斜では「ボールが勝手に転がる」ため、タッチコントロールが繊細で距離感のズレが出やすくなります。特に速いグリーンでは、少し強く打っただけで大きくオーバーする危険があります。下りの基本は手前に仮想のカップをイメージしてそこまでの距離を「小さなストロークで打つこと」。そしてカップを狙いすぎずタッチが合えばOKという気持ちの余裕も重要です。

また、上りと下りでは「目線の高さ」も意識すべきです。上りのラインではカップが高く見え、実際よりも遠く感じやすい。下りのラインでは逆に近く見えるため、視覚的な要素が邪魔をすることもあります。そのような錯覚を理解したうえで、実際のストロークを調整することが大切です。

練習方法:上り・下り距離感タッチドリル
①練習グリーンで、4〜5メートル距離で傾斜があるラインを探す(できれば左右の傾斜は少ない真っ直ぐなラインを探す)
②それぞれで「同じ振り幅」でストロークし、転がりの違いを体感する
③次に、上りではストローク幅を少し大きく、下りでは小さくすることで距離を合わせる
④最後に「平坦・上り・下り」を交互に打ち分けて、距離感の切り替えを素早く行う練習をする

傾斜のあるグリーンでの距離感は「力で調整するのではなく、ストローク幅で合わせる」のが鉄則です。上りと下りを正しく意識できれば、距離感のミスによるスリーパットを防ぐことができますので是非お試しください。

文/平田智(パッティング専門コーチ) 
取材協力/エンジョイゴルフ福岡

パットの上達にはこちらもチェック!

This article is a sponsored article by
''.