レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ダウンスウィング」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本75】
画像: ドライバーで失敗しないダウンスウィングのポイントを解説

ドライバーで失敗しないダウンスウィングのポイントを解説

ボールを打ちにいかないこと

画像: ボールを打ちにいかない、ボールに当てにいかなこと

ボールを打ちにいかない、ボールに当てにいかなこと

GD ドライバーの始動からトップまでがスウィングの成否に大きく関わっていることはよく分かりました。今回はドライバーのトップからフィニッシュまでの正しい動きについて説明してほしいです。

原田 そうでしたね。そこがまだでしたね。

GD では、まずトップからフィニッシュまで振っていくときに大事なことを教えてください。

原田 それはね、ボールを打ちにいかないってことです。言い換えれば、ボールに当てにいかないってことです。ヘッドをボールに当てようとすると、ヘッドが早く下りてしまって、いわゆるタメができません。スウィング軌道も安定しないので、真っすぐボールを飛ばすことができないんです。

ヘッドが早く下りないようにする

画像: このようにクラブヘッドが早く下りないように注意

このようにクラブヘッドが早く下りないように注意

GD ヘッドが早く下りるというのは、たとえば胸の開きが早いとか、そういうことですか?

原田 いえ、胸の開きが早いとかそういうことじゃなくてね、ただ単にクラブのヘッドが早く下りちゃうってことです。

GD 何に対してヘッドが早く下りてしまうのかがわかるといいんですが。

原田 トップでできた左手首の角度、右ひじの角度がほどけて、腕が伸びてしまう人がダウンスウィングでヘッドが早く下りてしまうんです。

GD 左手首の角度がほどけて、ヘッドが早く下りてしまうところが一番の問題点ということですね。

左手首と右ひじの角度がほどけないように

画像: ダウンスウィングではヘッドが早く下りないように「タメ」を意識すること

ダウンスウィングではヘッドが早く下りないように「タメ」を意識すること

原田 ダウンスウィングからほどけないというのが「タメ」なんですよ。それにタメがないとシャフトのしなりも使えません。”前”に向かって振れないです。

GD え、何に向かって振れないのですか?

原田 「前に」です。目標に向かって振れないということです。真っすぐなボールを打つための条件を思い出してください。ターゲットラインに対してヘッド軌道がインサイドイン、クラブフェースは軌道に対してスクエアでしたね。ヘッドをボールに当てようとすると、それができなくなってしまうんです。

GD ちょっとカット気味に入るとか、ヘッド軌道がオンプレーンにならないってことですか?

原田 ヘッド軌道が正しくできないです。ボールから先の軌道は全然できなくなってしまいますよね。

GD ボールにヘッドを当てにいってはいけないということは分かりました。では、ボールを打ちにいかないとすると、やるべきことは何でしょうか。どういう意識を持って振っていけばいいのですか?

左足→左腰→左肩→左腕→左手の順番で振っていく

画像: 左足→左腰→左肩→左腕→左手の順番で振っていく

左足→左腰→左肩→左腕→左手の順番で振っていく

原田 今までの連載で取り組んできたことですね。ハーフスウィング、スリークォータースウィング、正しいフィニッシュを意識してほしいです。

GD テークバックをして右軸を作り、体幹ターン(ボディターン)で左への体重移動と体の回転をし、左足1本で立って、右足の裏が後ろを向いてつま先で立つという形の左軸を作る。その際、インパクトは意識しない。そういうことですか?

原田 そうです。この連載で一貫して説明してきたことが大事になりますよね。

GD 自分の場合で恐縮ですけど、原田プロの説明を参考にして、テークバックで体を右に向けたら、今まで習ったボディターンで左へ振っていくとですね、芯を食いますし、飛距離も出るんですね。自分も原田プロの指導のおかげだと思いますが、ボールに当てる意識はほとんどなくなっているんです。

原田 うん、そこがね、ビギナー、アベレージを含めたアマチュアの人としっかりスウィングを学んだ人の違いですよね。とにかく体が先行して、前に説明したタイミングドリルに従って説明しますと、それ1左手→2左腕→3左肩→4左腰→5左足→4左腰→3左肩→2左腕→1左手ですよね。トップからフィニッシュへは5→4→3→2→1で振らないといけないんですよ。でも、それができない人は1→2→3→4→5、から1→2→3→4→5になってしまいますからね。

トップから左サイドに体重を乗せてから体を回転させる

画像: トップから左サイドに体重を乗せてから体を回転させる

トップから左サイドに体重を乗せてから体を回転させる

GD 1→2→3→4→5というのは、手から振ってしまうダメな振り方ですね。

原田 これがボールにヘッドを当てにいくということなんですよ。結果としてはね、いわゆる明治の大砲とか、体の動きが止まったスウィングになってしまうんですよ。

GD 要するに今までやってきたことですよね。トップをしっかり作れたら、フィニッシュに向かってボディターンをしていくこと。トップから左に体重を乗せたら体を回転させて、右を向いていた胸を左に向けること。それに手とクラブが付いてくる感じですよね。手は振るものではなく、体の回転で振られるものという意識が大切ですよね。

原田 そうです。右軸を作って体の回転で左軸を作る。ドライバーのトップからフィニッシュまでの動きでもこれが大事です。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/梅里CC、東名CC

ドライバーでボールを真っすぐ飛ばすための基本を解説

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