教えてくれた人/パッティング専門の平田智コーチ

平田智パッティング専門コーチ(左)右は菅楓華
エンジョイゴルフ ゴルフスタジオ&パッティングラボラトリー福岡でツアープロからアマチュアまで教える。初優勝を挙げた菅楓華や昨年、アマチュアでステップ・アップ・ツアーを制し、プロテストに合格した都玲華を教える。
ラインの「色」で変わる集中力と転がりイメージ
パットの際に手助けしてくれるゴルフボールに引くライン。形状や太さばかりに注目が集まりがちですが、実は「色」も非常に重要な要素です。色は目の働きや脳の反応に直接影響し、構えの安定や集中力、さらには転がりのイメージにまで関係します。

パットの際に手助けしてくれるラインの引き方や色でその効果は変わるという
同じラインでも色を変えるだけで、ボールの見え方や打ち出しの印象が変わることは少なくありません。ここでは、代表的な4色の特徴と効果を紹介します。
赤:集中と力強さを引き出すアクティブカラー
赤は「情熱」「集中」「決断力」を象徴する色。構えたときに目を引きやすく、狙いに向かう意識を高めます。特にショートパットのように“入れ切りたい場面”では、赤いラインが緊張感をプラスし、ストロークを強気にしてくれる傾向があります。
ただし、刺激が強いため長時間の練習では目が疲れやすい点に注意が必要。勝負どころで集中を高めたいプレーヤーに適しています。
青:落ち着きと冷静さを保つクールカラー
青は「冷静」「安定」「リズム」を象徴する色です。視覚的な刺激が少なく、長い距離のパットや繊細なタッチを求める場面で効果的。心拍数を落ち着かせる心理効果もあり、緊張しやすいプレーヤーに向いています。
また、屋外での視認性も高く、芝の緑とのコントラストが適度で見やすいのも利点です。距離感を重視したい人や、テンポを整えたい人におすすめです。
緑:自然な調和と安定感を生むカラー
緑はゴルフコースの主色であり、目に優しく安心感を与えます。“芝と同化する”ことで、ラインが主張しすぎず、自然に構えやすいのが特徴です。無意識にリラックス効果を生み、ストロークのテンポが安定しやすくなります。
特に「ラインに頼りすぎたくない」「自然な感覚で構えたい」というプレーヤーに最適です。長時間の練習にも向いており、目の疲労を抑えたい人にもおすすめです。
黒:精度と自信を支える定番カラー
黒は最も一般的で、視認性・安定感ともにバランスの取れた色です。どんな光条件でも見やすく、パターのフェースラインと重ねたときの“整合感”が高いのが特徴。色の主張が強すぎないため、集中を持続しやすい点も魅力です。
特にフェースを正確に合わせたいタイプや、常に同じ構えを再現したいプレーヤーに向いています。同じラインでも、色が違えば見え方も心理状態も変わります。
赤は攻め、青は冷静、緑は自然、黒は安定――それぞれの色がもたらす「見え方の質感」を理解し、状況や自分に合った色を見つけることができれば、パッティングの安定感は確実に高まります。
文/平田智(パッティング専門コーチ)
取材協力/エンジョイゴルフ福岡