「小さめ番手なら手前、大きめ番手なら奥でいい」
ピンは狙わず、自分に適した新たなターゲットを作る。最後は実践となるが、ここでもいくつかポイントがあると北野プロ。
「仮想のピンを作り、ターゲットを決めたら、あとは打つだけです。まず重要なのは番手選びです。グリーンの手前なのか奥なのか、その距離に合わせて番手を選びます。たとえば、手前を打つ番手のとき、アマチュアはこれじゃ届かないかもと考えがちです。そうするとダウンスウィングやインパクトで力んでしまいます。それではここまで作ってきたマネジメントの意味がなくなります。手前の番手ならグリーンの手前に外れてもOKです。
ここで大事なのは、番手を決めたら小細工は不要ということです。いつも通り振るだけでいいです。狙い方で十分に頭を使っていますから、ショットであれこれ考えると余計なミスを引き起こします。距離もコントロールする必要はありません。番手選びで打つ距離は確定しているからです。マネジメントに集中し、スウィングは一切変えない。そうやってラウンドしてみてください。そうすれば、狙い方次第でスコアはいくらでも変えられると実感してもらえるはずです。ベスト更新は同じことをしていても難しい。であれば、何かを変えないと。そのひとつが“ピンを狙うな”にあるんです」
3つのポイント
ポイント①番手選び
グリーンの手前か奥か番手選びが最も重要
「仮想ピンがグリーンの手前か奥か、その距離で番手を選びます。大きめ番手なら奥に外していいし、小さめ番手なら手前の花道でもOKです。距離はクラブで作る。この割り切り方が大事です」
→大きめ番手▶奥にこぼれてもOK
→小さめ番手▶手前に外れてもOK

スウィングは一切変えない狙い方に全集中
ポイント②セットアップ
仮想ピンに対してセットアップし自分流にアレンジ
「番手を決めたら仮想ピンに対してセットアップ。このとき自分のクセやその日の傾向を加味します。スライス系が出やすいなら右に曲がることを想定し、仮想ピンをやや左にズラすといった感じです」
自分の持ち球に合わせて微調整
→スライス系▶仮想ピンをやや左にズラす
→フック系▶仮想ピンをやや右にズラす

持ち球に合わせて調整
ポイント③ショット
軽めや強めなどの小細工は不要。いつも通りに振る
「セットアップができたらいつも通り振るだけです。フェースをかぶせたり、ロフトを立てたり、オープンスタンスにしたり。余計なことは不要です。ターゲットに向かって気持ちよく振ればOK」

いつもどおりが大事
朝の練習でミスの傾向を確認しよう
「ピンを狙わない」マネジメントがベスト更新につながると北野プロは語るが、朝の練習で確認してほしいことがあると言う。
「アマチュアは、マネジメントはコースによって変わると思っていますが、人によって変わります。つまり自分を知らなければマネジメントはできないということです。そこでラウンド前の練習では、今日はどんなミスが出やすいのか? その傾向を探ってください。そしてチェックするならパターとドライバーがいいです。ミスの傾向がわかりやすいからです。今日の自分を知っておけば、仮想ピンを作るときの参考になりますし、マネジメントの精度も飛躍的に上がるはずです」
ドライバー練習
強く&弱く打つとどんな球が出るのか?
「ドライバー練習では、気持ちよく振ることも大事ですが、強く振るとどんな球が出るのか? 軽く振るとどんな球が出るのか? これを確認しましょう。ラウンドでは力む、緩むはよくあることですから」

力んだ時と緩んだ時のチェックも!
パター練習が一番わかる
パットで出るミスはショットでも確実に出る
「パット練習では、狙いに対して引っかけ気味か(つかまりすぎ)、つかまらないか。また右を向いているか左を向いているかなどを確認。パットのミスはショットでも出ますからね」

引っかけ気味か?つかまらないか?
PHOTO/Tadashi Anezaki、Yasuo Masuda THANKS/サザンヤードCC