レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーの手のポジション」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本79】
画像: 切り返しからフィニッシュまでの動きを解説

切り返しからフィニッシュまでの動きを解説

トップからフィニッシュまでの手のポジションを確認

画像: 左の写真から、右手は9時、左手は3時、右手は10時、左手は2時、右手は11時、左手は1時のポジション。右耳の高さのトップから左耳の高さのフィニッシュまで振り抜いていく

左の写真から、右手は9時、左手は3時、右手は10時、左手は2時、右手は11時、左手は1時のポジション。右耳の高さのトップから左耳の高さのフィニッシュまで振り抜いていく

GD ドライバーのトップからフィニッシュまでの正しい動きについて解説していただいています。今回は(スウィングを時計で見立てた)イメージクロックを使った場合、トップからフィニッシュまでの動きとはどうなっているのか。そこを聞きたいのですが。

原田 いいですよ。イメージクロックを使った始動からトップまでの動きは前の連載で説明しましたよね。

GD はい。念のためイメージクロックについて簡単におさらいしておきます。背中に大きな時計の文字盤を背負っていると想定し、おへそを中心として両手が針、真下が6時、頭の上が12時、右腰が9時、左腰が3時です。これによって手、腕、クラブのポジションを示すものでした。手、グリップは始動からトップまでは8時を通過して9時でテコシステム(コック)が入り、11時がフルスウィングのトップでしたね。

原田 そうです。で、今回はイメージクロックを使ってトップからフォローまでを説明してほしいということですね。

GD はい。とくに聞きたいのはトップから9時、8時あたりの動きです。トップの位置、高さは右耳、位置は右足かかとの横の11時ですが、そこから振っていくときは、9時を通過させてからその先へ動いていくのか、9時は無視して直接8時へ下ろしていくのか、はたまた9時も8時も意識しないで振っていくのか。ずっと頭の中がモヤモヤしていまして、正しくはどうなのでしょうか?

切り返しからフィニッシュまでクラブはどう振ればいいか

画像: 切り返しからフィニッシュまでクラブはどう振ればいいか。クラブが通る道は意識しないで、フォローから3時、2時、1時の手のポジションを意識しよう

切り返しからフィニッシュまでクラブはどう振ればいいか。クラブが通る道は意識しないで、フォローから3時、2時、1時の手のポジションを意識しよう

原田 右へ上げるときは動きが比較的ゆっくりなんですよね。左へ振るときは速いです。そのときにね、通る道を意識していたら振れなくなってしまいますよ。

GD つまり11時から振っていくときは9時や8時は意識しないのがいいということですね。

原田 ダウンスウィングでもイメージクロックを利用するのならば、むしろ3時、2時、1時を意識してほしいです。

3時ではグリップエンドとおへそが向かい合って両わきを締めていく

画像: 3時ではグリップエンドとおへそが向かい合って両わきを締めていく

3時ではグリップエンドとおへそが向かい合って両わきを締めていく

GD 3時、2時、1時はフォローサイドですね。つまりグリップエンドとおへそが向かい合いって両わきが締まっている形の3時、両ひじをたたんで左肩に担ぐ途中にグリップが肩の高さにくる10時、そしてグリップが左耳の横にきて少し左わきが空く形の11時、つまりフィニッシュの位置を意識せよと。

原田 そうです。ハーフスウィングのドリルをやったときのことを思い出してください。ハーフスウィングのドリルは9時からインパクトとか途中のことは考えずに3時を作りましたよね。で、スリークォーターの場合も上げるときは8時、9時を通って10時のポジションに上げるけど、振るときは2時を意識したでしょう。トップからの場合もそれと同じで8時、9時、10時を通ってトップまで上げたら、今度は1時を意識するんです。

GD ダウンスウィングではフォローサイドでイメージクロックを使うと一定の効果が期待できるということですね。ただ、くどいようですけど、やっぱりテークバックで9時を通過してトップまで上げていったのだから、振っていくときも9時の位置に一瞬戻してからというか、通過させてから振っていくのがいいように思うのですが。

原田 そんなことをしていたらフォローサイドが全然振れなくなってしまいますよ。バックスウィングで8時とか9時とか正しいポジションに上げていくのはなぜかというと、そこから下半身のリードで下ろしてくれば、ターゲットラインに対してヘッド軌道がインから入ってくるからです。そして軌道に対してヘッドがスクエアに入ってくるからです。

GD つまりテークバックで8時、9時を作っていくのは、真っすぐなボールを打つためのインサイドインのヘッド軌道を作るために必要な考え方ということで、だからトップからフィニッシュまで振っていくときは、イメージクロックで9時や8時を通過させようなどと考えること自体必要がないということですか。

ダウンスウィングでは"クラブを上げた道"をなぞらなくていい

画像: ダウンスウィングでは"クラブを上げた道"をなぞらなくていい。インパクトへかけてグリップとクラブの入り口を意識する

ダウンスウィングでは"クラブを上げた道"をなぞらなくていい。インパクトへかけてグリップとクラブの入り口を意識する

原田 そうです。ひとことでいえば上げた道をなぞらなくていいということです。バックスウィングを正しいポジションで上げて、振るときにタイミングドリルの5(左足)、4(左腰)、3(左肩)、2(左腕)、1(左手)の順番通りに下ろしてくれば、必ずヘッドはインから入ってきます。フェースも開かないで入ってくるんです。ダウンスウィングの初期段階でどうしても手のポジションを意識したいというのであれば、前の連載で説明したインパクトの入り口という考え方を利用するのがいいですよ。

GD インパクトの入り口はグリップが右腰の前あたりでシャフトが地面と平行、ターゲットラインと平行になる位置でした。そのときは体重が左足に乗って左腰が回り、肩のラインは正面。右わきが締まってクラブが遅れて入ってくる感覚でしたね。

原田 そうです。トップからはタイミングドリルの順番で下半身から動き出し、それに上半身、腕、手がついてきます。イメージクロックで9時や8時を通過させる意識ではなく、このインパクトの入り口を意識したほうがフィニッシュまでスムーズに振っていけますよ。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/梅里CC

ドライバーで失敗しないクラブの振り方

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