教えてくれた人/パッティング専門の平田智コーチ

平田智パッティング専門コーチ(左)右は菅楓華
エンジョイゴルフ ゴルフスタジオ&パッティングラボラトリー福岡でツアープロからアマチュアまで教える。初優勝を挙げた菅楓華や昨年、アマチュアでステップ・アップ・ツアーを制し、プロテストに合格した都玲華を教える。
ゴルフボールのラインの種類と効果②
前回に引き続き、ボールのラインの種類とその効果についてご説明させていただきます。

パットの際に手助けしてくれるラインの引き方や色でその効果は変わるという
③ 3本ライン
中央にメインライン、その両側に補助線を引いたタイプ。視覚的に「レール上にボールを転がす」ようなイメージを作れるため、方向とストロークの安定性を高めます。
また3本の間隔がフェースの据わりやストロークの幅を感じやすく、距離感の安定にもつながります。
向いているタイプ:「ストロークの安定感を求める」「ラインに沿って転がしたい」
④ T字ライン
1本ラインの上部に横線を加えたT字形。縦のラインが「方向」、横のラインが「フェース角」を示し、インパクトの際に面で捉えるイメージがしやすくなります。
縦と横の交点がボールの中心にくることで、打点を安定させる効果もあります。
向いているタイプ:「フェース角のズレを直したい」「スクエアな構えを確認したい」
⑤ 6本線(多ラインタイプ)
3本ラインをさらに強調し、上下左右にも補助線を加えた「多ライン構造」。視覚的な情報量が多く、構えたときに“方向・角度・幅”を同時に認識できます。
慣れるまでは少し線が多く感じますが、一度ハマると「まっすぐ構える感覚」が強まり、安定感が抜群。プロや上級者が練習時に使うことも多く、構えを「型」として覚えたい人に向きます。
向いているタイプ:「構えの再現性を重視」「視覚的に整えたい」
⑥ ラインなし
一見シンプルですが、実は「感覚派ゴルファー」に好まれるタイプ。ラインがないことで、カップを意識しすぎず、ストロークテンポに集中できます。
“構えで考えすぎる”傾向のある人や、ラインに頼りすぎて打てなくなるタイプにとっては、かえって自然なストロークを促す効果があります。
向いているタイプ:「感覚重視」「ラインを見ると迷う人」
これらの発展デザインは、単に「方向を合わせる」ためのツールではなく、構えや姿勢そのものを安定させる“視覚トレーナー”のような存在です。
自分の目のタイプやストロークの傾向によって、見え方の「落ち着くデザイン」は異なります。真っすぐ構えたい人は二重ラインやL字、感覚派なら囲い型や複合ラインがしっくりくる場合が多いでしょう。
ボールのラインを“単なる飾り”ではなく、“自分の目の延長線”として使いこなすこと。それが、パッティングの精度と再現性を高める近道です。
次回は、ラインの「色」がプレーヤーの集中力や見え方にどんな影響を与えるのかを解説します。
文/平田智(パッティング専門コーチ)
取材協力/エンジョイゴルフ福岡






