片岡尚之

97年生まれ、北海道出身。19年プロ入り、21年に日本ツアーで初優勝。昨年の日本オープン(日光CC)でプレーオフに勝利し自身2勝目を挙げ、オーガスタへの切符も手にした。
松山英樹

92年生まれ、愛媛県出身。13年プロ入り、14年から戦うPGAツアーで11勝。16年には日本オープンでも勝利。22年にはグリーンジャケットに身を包み、前年優勝者としてシェフラーを称えた。
ゴルファーの「夢の舞台」で勝利を挙げるという偉業を達成した、6つ上の大学の偉大な先輩。取材前、後輩の片岡は「今までなかなか絡みがなくて……とにかくすごすぎて緊張します。松山さんが納得していない部分でも僕よりも数段上だと思うし、ステージが全然違う。ストイックというか向上心がすごいなあと思っています」と、語った。
しかし、そこは“後輩思い”の先輩・松山。対談が進むにつれ、技術と精神の両面にわたる深いアドバイスが次々と飛び出していく。今回はその中から、25年JGTO平均パット数1位に輝く“パット巧者”の片岡が投げかけた「パットの練習」についての話題をご紹介。
「人の真っすぐ」はあてにならない。感覚を研ぎ澄ませる変化の捉え方

「その時計、すごいですね」という会話から始めた片岡に、「でも、(片岡も)めっちゃいいヤツしてるじゃん」と返した松山。後輩に特に優しく、面倒見がよく、聞かれたことには常に的確にアドバイスをする松山の一面を感じる対談となった
片岡: 僕は、オフは特にラウンドはあまりしなくて、練習場での練習が多いんです。
松山: 大事ですね。
片岡: 実はパター練習がここ何年も気になっていているんです。ずっとショットがヤバかったので、ショットの練習にかなり時間を割いて、パターはあまり練習していなくて、何とかなるだろうと思ってきました。でも結局、パッティングも技術的に上手くならなければいけないので練習したいんですけど、どういう練習をしたら上手くなるのか……。
松山: パターは逆に僕が聞きたいんだけど(笑)。でもそれって、悩んでからやったほうがいいんじゃないかと思う。だって今の状態では困っていないわけだよね。
片岡: 実はちょっと困りそうな雰囲気があって……。
松山: ああ、予兆があるんだ。
片岡: はい。
松山: 困りそうなことが何なのか僕にはわからないし聞かないけど、自分のいいところってどこだろうと考えたほうがいい。自分のパットの打ち方で、感覚でやっていたものに対して、どういう感じでやったら上手くいっていたんだろうと考えて、その気持ち悪いとか怪しいなと思うところが何なのかを見つけて、そのためにどうしていくべきかと、自分で答えを導き出していくということが大切。
片岡: 自分で見つける。
松山: そう。
片岡 松山さんを見ていると、基礎練というか真っすぐ打ち出していく練習が多いイメージ。そういう練習がやっぱり大事なのかなと思ったりもするんです。
松山: でも、感覚でやってきた人の真っすぐに関しては、自分の真っすぐと人の真っすぐは違うはずだから。片岡が思う真っすぐってあるはずだし、どういうスピードで打っているのかも感覚でやっているだろうから、あれこれ考え始めたらおかしくなる。
でもあえて言うなら、たとえば振り幅を小さくしたときにこういう感覚だなあということもあるはずだし、転がりを見て、その転がるスピードが変わってきたらちょっと気持ち悪くなってくるし、その転がるスピードが何で遅くなったのか、どこのスピードが遅くなったのか、スタンス幅が少しだけ広くなったり狭くなったりしても変わるし、体の変化、トレーニングで体を大きくすればそれでもパターの感覚は変わるはずだから、何の変化が起きてそうなっているのかという分析をしていけば変わってくると思う。
――取材後、「今回、少しでもお話を聞けてよかった」という片岡。ここ3年ほど、スウィング改造をしながら、「感覚を殺して、でも試合になると感覚が求められる。そのギャップが気持ち悪かった」と言いますが、しかし、新しいスウィングを試合で試して、少しずつ練習でやってきたことの成果を感じるようになったと言います。
「僕は継続してやることが何よりも苦手だったんです。本当に何事もコツコツと、だなあと思います。結局、松山さんもそうです」
偉大な先輩から得た「共通の感覚」や「本当の上達に必要なこと」は、週刊ゴルフダイジェスト2月3日号でどうぞ。
PHOTO/Takanori Miki、Tadashi Anezaki、Yoshihiro Iwamoto
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マスターズ覇者の松山英樹が、夢の舞台へ初挑戦する後輩・片岡尚之に贈る金言の数々。本編では、極限の緊張下で放ったマスターズ最終日1番のティーショットを支えた「技術的確信」の正体や、世界最高峰の舞台で孤独に試行錯誤を続けてきた松山が辿り着いた「自分で気づくこと」という教えの本質が明かされる。さらに、トッププロの日常に迫るオフや試合中のルーティンの詳細から、2人が約束したオーガスタでの練習ラウンドまで、栄光のグリーンジャケットを知る者と挑む者の魂が共鳴する瞬間をぜひ本編でご覧ください。本編は週刊ゴルフダイジェスト2月3日号、Myゴルフダイジェストにて掲載中!



