
“ゴルフの科学者”の異名を持つブライソン・デシャンボー(写真/LIVゴルフ)
今回は、世界屈指の飛ばし屋として知られるブライソン・デシャンボーを見ていくことにしましょう。ワンレングスアイアン(すべての番手を37.5インチに揃えたアイアンセット)を使用し、スウィングの一貫性を大事にしているデシャンボーですが、彼のタイプは、スコッティ・シェフラーやトミー・フリートウッドと同じB2タイプです。

フォロー後半の比較/A2タイプのタイガー・ウッズはスムーズに体を起こしているのに対し、B2タイプのデシャンボーは前傾角をキープしている
まず、スウィングを後方から見ると、深いフトコロを保ったままボールをとらえ、フォロー後半まで前傾角度をキープしていることがわかります。これはクロスタイプ(A1とB2)の特徴です。デシャンボーの場合、パラレルタイプ(A2とB1)のようにフィニッシュで体を起き上がらせる動きが見られますが、これは動きを意図的に作り込んでいるためで、インパクト以降スムーズに体を起こしていくパラレルタイプとは、明らかに動きが違います。この違いは、タイガー・ウッズ(A2)などと見比べてもらうと、わかりやすいでしょう。

インパクト付近では両足でしっかり地面を踏み、右足の圧が抜けていない。この動きがBタイプの特徴
次に、AタイプかBタイプかの判断ですが、これはインパクトに注目するとよいでしょう。デシャンボーのインパクトを見ると、両足でしっかりと地面を踏み、右足の圧が抜けていないことがわかるはず。この右サイドの圧が抜けずにインパクトを迎えるのが、Bタイプの特徴で、デシャンボーがB2であることがわかるというわけです。
デシャンボーのスウィング写真や動画のなかには、一見左足に乗り込んでインパクトしているように見える(左脚が垂直になって見える)ものがあるので、Aタイプかと思われる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、これは左足をややクローズにセットしているためです。左足をクローズにセットすると、スウィングを向かって右から見ている形になるので、左足に乗り込んで見えるのです。プロの場合、自分の打ちたい球筋に対して、スタンスや体の向きをアレンジします。そのため、単純に飛球線の正面から見ただけでは、動きがわかりにくいケースもあるので注意してください。
【動画】ブライソン・デシャンボーのスウィング【ブライソン・デシャンボー公式YouTube】
It’s totally different…
www.youtube.comさて、鍛え上げられた肉体を存分に使ったパワーゴルフが注目されるデシャンボーですが、そのトレーニングの目的は決してパワーアップに特化していないということは理解しておくとよいでしょう。トレーニングはパワーアップ、スピードアップのためだけに行うのではなく、自分のやりたい動きを手に入れるために行うのです。たとえば、かつてタイガー・ウッズは「私は、パッティングのために(正確で反復性の高いストロークを行うために)トレーニングをしている」と言いました。それと同じように、デシャンボーも自分の動きのデータを知り、そのデータを自分のやりたい動きに近づけるためにトレーニングを行っているのです。
【動画】ブライソン・デシャンボーのトレーニングの様子【ブライソン・デシャンボー公式YouTube】
The last one is my favorite
www.youtube.comトレーニングの目的をパワーアップ、スピードアップに特化してしまうと、筋肉に硬さが生まれ、ケガにつながってしまう危険があります。ですから、みなさんがトレーニングをする場合も、筋肉をつけ、パワーアップを図るためではなく、下半身の安定や動きの精度を高めるなど、動きの改善を目的に行うようにしてください。トレーニングをすれば、筋肉はつきます。しかし、それは結果的についてしまうもので、ボディビルダーのように意図的に筋肉をつけるものではないことを理解してもらいたいと思います。

ブライソン・デシャンボー、撮影/岩本芳弘
▶第1回「4スタンス理論を詳しく説明! あなたのタイプの見つけ方」を読む
A1タイプ
A2タイプ
B1タイプ
B2タイプ

監修/廣戸聡一(レッシュプロジェクト代表)
ひろとそういち。1961年生まれ。一般社団法人『レッシュプロジェクト』代表。スポーツ整体『廣戸道場』主宰。幼少時より、野球、剣道、格闘技を経験。高校卒業後、施療を学び、施療家の道を進む。現在は、施療家として、また一流のアスリートや芸能関係者を対象とした、体のケア、トレーニング、食事面の総合アドバイザーとして活躍中。JOC(日本オリンピック委員会)強化スタッフ、日本高等学校ゴルフ連盟公式強化役員、日本ゴルフツアー機構(JGTO)のアドバイザーなどを務め、2011年『ゴルフダイジェスト』誌レッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞する。








