「みんなのゴルフダイジェスト」のフォロワーの間で根強い人気を見せているのが、4スタンス理論に関する記事である。そこで、今回は4スタンス理論とはどのようなものなのか、あらためて追いかけてみることにしよう。11回目は現在米国女子ツアーで活躍中の姉妹の妹・岩井千怜を解説してもらった。
画像: 地面を踏み込みジャンプする動きが特徴の岩井千怜(写真/岡沢裕行)

地面を踏み込みジャンプする動きが特徴の岩井千怜(写真/岡沢裕行)

岩井千怜に見る「A1タイプ」の力の出し方

今回は、現在米国女子ツアーで活躍中の岩井ツインズの妹、岩井千怜選手を見ていくことにしましょう。昨年は、姉の明愛選手とともに米ツアー初勝利を挙げた千怜選手ですが、彼女は、ミンウ・リー選手、ザンダー・シャウフェレ選手などと同じA1タイプです。

【動画】岩井千怜、ドライバースウィング後方【岩井ツインズ公式インスタグラム】

まず、後方からスウィングを見ると、フィニッシュまで前傾角度が保たれていることがわかります。これはクロスタイプ(A1とB2)の特徴です。

画像: インパクト時に左足をしっかり踏み込む

インパクト時に左足をしっかり踏み込む

次に、体の正面からドライバーショットのインパクトを見ると、左足にしっかりと踏み込んで、前足となる左足を軸にしていることがわかります。これはAタイプの特徴で、結果として千怜選手がA1タイプだと判断できるのです。

千怜選手には、彼女が高校生の時に、高校ゴルフ連盟の合宿でお会いしたことがあるのですが、年齢を重ねてもその頃のしなやかさが維持されていて、元々持っている身体能力、バランス、器用さなどがアップグレードされているなぁ、という印象を受けます。また、プレーを見ていても、(体の正面でクラブをグリップするなど)自分にとってのベーシックな部分を丁寧にやっていて、それが安定したパフォーマンスにつながっているのだと思われます。

画像: バックスウィング(左)では右肩が上がり、ダウンスウィング(右)では左肩が上がる

バックスウィング(左)では右肩が上がり、ダウンスウィング(右)では左肩が上がる

A1らしさが出ているのは、その力の出し方です。私は、「上に踏んでいる」という言い方をするのですが、千怜選手を見ると、バックスウィングでは右足を垂直に踏むことで右肩が上がって体の面が右を向き、ダウンスウィングでは左足を垂直に踏むことで左肩が上がって体の面が入れ替わっていきます。この地面を踏んでジャンプをするように力を上に使い、体の面を入れ替えて打つのがA1の特徴なのです。

A1タイプの人が、千怜選手を参考にするのであれば、背骨を柔らかく使うところでしょう。よく、「背筋をピンとさせなさい」などと言われますが、背骨を固めてしまうと、同時にひじが固まってしまいます。両ひじを基点にクラブを動かしたいA1にとって、ひじを硬く使うのは致命的。その瞬間に、腕が体の正面から外れ、スピードやパワーを失うだけでなく、反復性の高い動きができなくなってしまうのです。

画像: 体の正面でクラブをグリップする

体の正面でクラブをグリップする

ですから、アドレスに入っていくときには、千怜選手の入り方、構え方をイメージしながら、ゆっくり大きく呼吸をしながら背骨を柔らかく使うとよいでしょう。それができれば、両ひじが暴れることを防げるとともに、スムーズな始動、スウィングがしやすくなるはずです。基本的に、人間は動作中に動きを変更するのは困難と言えます。やりたい動きをするためには、動き出す前の準備が大切。セットアップが間違ったまま動き出せば、そこから動作を修正するのは難しく、ミスが出やすくなってしまうので注意してください。

写真/大澤進二

▶第1回「4スタンス理論を詳しく説明! あなたのタイプの見つけ方」を読む

A1タイプ

A2タイプ

B1タイプ

B2タイプ

画像2: 地面を踏んでジャンプする! 岩井千怜に学ぶA1タイプの力の出し方と背骨を柔らかく使うアドレス【4スタンス理論で探す最高のお手本#11】

監修/廣戸聡一(レッシュプロジェクト代表) 
ひろとそういち。1961年生まれ。一般社団法人『レッシュプロジェクト』代表。スポーツ整体『廣戸道場』主宰。幼少時より、野球、剣道、格闘技を経験。高校卒業後、施療を学び、施療家の道を進む。現在は、施療家として、また一流のアスリートや芸能関係者を対象とした、体のケア、トレーニング、食事面の総合アドバイザーとして活躍中。JOC(日本オリンピック委員会)強化スタッフ、日本高等学校ゴルフ連盟公式強化役員、日本ゴルフツアー機構(JGTO)のアドバイザーなどを務め、2011年『ゴルフダイジェスト』誌レッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞する。


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