それほど力があるように見えない女子プロなのに、7番アイアンできちっと150ヤードをベタピンに付けてくる。それに対して自分のアイアンが飛ばないのは何故なのか? 原因はヘッドスピードだけじゃないはず。ショットメーカーとして定評がある上田桃子を指導する辻村明志コーチに原因を聞いてみた。
打つのではなく押すのが正解
切れ味抜群のアイアンが武器の上田桃子を指導する辻村コーチ。アマチュアはインパクトの瞬間を過剰に意識していると指摘する。
「インパクトの理想はハンドファーストです。ただ、これを意識し過ぎると手が前に出て、インパクトでフェースが開きやすくなります。ハンドファーストは結果論であって、目指すべき動きは、ヘッドを出すことです。桃子はボールよりも30センチ先を目がけて振っているんですよ」(辻村、以下同)
辻村は『ヘッドが出てナンボ』と表現する。要するにインパクト衝撃に当たり負けしないためには、ヘッドを先行させる必要があり、そのバロメーターになるのは、30センチ先でクラブと腕が一直線になる形なのだ。
「インパクトゾーンが長いから球質が強くなる。長くするには前傾角度のキープは必須で、桃子にも常に意識させています」
ボールの30センチ先を目がけて振るポイントは…?
左わきにほどよいテンションをかける
左わきを締めると手が体の幅に収まった状態でインパクトできる。ロフトを立てながら当てられるので強い球質になる。ハンドファーストだけを意識すると左わきが開きやすい。
おへそとボールの距離を一定に保つ
ボールを長く押すには前傾角度のキープが重要。おへそとボールの距離を変えないように意識すると、上体が起き上がりにくくなる。ボールを打とうと意識し過ぎるのはNG。
ボールの30センチ先を打つ意識なら、ミスが出にくく、強い球質のショットが打てるようになるなどいいこと尽くめだ。今日からアイアンは「打つ」意識から、「押す」意識に変えよう!
写真/大澤信二
(週刊ゴルフダイジェスト2016年9/13号より抜粋)