プロのツアー会場でプロを支えるメーカーのツアー担当“ツアーレップ”。テーラーメイドのレップとして選手をサポートしている真野義英氏は、その中でも異色の存在だ。プロゴルファー・中村修が真野氏の仕事ぶりをレポート。

「コーチングとクラブフィッティングは切り離せない」

グリップやシャフト交換を行える巨大バス“ツアーバン”に乗り込み、全国各地で開催される女子ツアーの会場で契約選手たちのクラブの悩みを解決する。それが一般的なツアーレップの大事な仕事。しかし、テーラーメイドのツアーレップである真野氏はキャリアが3年と浅い。

「選手をサポートする上で、自分にはレップとしての経験も浅いですし、クラブを組み立てる技術もまだまだ足りません。ならば、別の方法で選手をサポートしようと思っているんです」(真野)

画像: テーラーメイドでツアーレップとして選手をサポートする真野氏

テーラーメイドでツアーレップとして選手をサポートする真野氏

そこで考えたのが、クラブだけでなく最新のスウィングを深く理解すること。それにより、選手のミスショットの原因がクラブにあるのかスウィングにあるのかを見極められるようになることだった。

ボールの曲がりはクラブの軌道とフェースの向きが決める。ツアー会場では弾道計測器のトラックマンを使って選手のクラブ軌道とフェース向きを計測し、曲がる理由を分析。結果に応じてクラブを調整したり、ときにはスウィングのアドバイスだってする。

画像: テーラーメイドの契約選手である永峰咲希と談笑。選手とのコミュニケーションはもちろん極めて重要だ

テーラーメイドの契約選手である永峰咲希と談笑。選手とのコミュニケーションはもちろん極めて重要だ

さらに、それでも選手の不調の原因がわからないとなれば、最新のモーションキャプチャ機器「ギアーズ」までも駆使するという。

「トラックマンで計測してもスウィングの問題点が見つけられない選手がいました。それでも、どうしてもボールが左へ飛んでいってしまう。そのため、その選手はスウィングスピードを落として真っすぐに飛ぶように調整しながら打っていたんです。スウィング自体は完璧。ですが、ギアーズでクラブのデータを確認すると、インパクトでフェースのトウ側が2度上がっていることがわかったんです」(真野)

トウ側が上がっているということは、つま先上がりで打つのと同じ現象が起きているということで、フェースが左を向いた状態でインパクトしていることを表す。すぐにライ角をフラットに調整して再度計測したところ、しっかりフルスウィングしても真っすぐに飛ばせるようになり、140ヤード程度だったアイアンの飛距離が153ヤードまで伸びたという。

「コーチングとクラブフィッティングは切り離せないと改めて感じた瞬間でした」と真野氏は言う。

結果が出ない理由はなにか? 選手とともに考える

また、メジャーを中心に、PGAツアーの現場にも出張し、現地でのサポート業務を行うことで、日本との違いも感じていると話す。

「たとえばコースマネジメントは日本の場合プロキャディさんに習うことがほとんどですが、海外では選手の持ち球や飛距離に合わせて戦略を立てる専門家も存在しています。実際のコースマネジメントとはどういうことなのか、英語の本を読んで気づいたことをノートにまとめています」(真野)

クラブとボールが進化し、どの選手もボールを打つのは上手になった。ならば練習場では同じようなボールを打っている選手が、試合になるとかたや優勝、かたや予選落ちと結果が分かれるのはなぜか。それを真野氏は選手と一緒に考えるのだと言う。

「原因を選手と一緒に考えたときに、クラブのことだけではなくて、スウィング、コースマネジメントなど結果を出すためのあらゆる方法を身につけてサポートしようと考えています」(真野)

画像: コースマネジメントとはどういうことなのか、本を読むなどして勉強し、気づいたことをノートにまとめているという

コースマネジメントとはどういうことなのか、本を読むなどして勉強し、気づいたことをノートにまとめているという

クラブの専門家、スウィングコーチ、戦略家……と高度な分業が進むPGAツアー。米国留学経験のある真野氏は、それら最新の事情を持ち帰り、集約して選手に伝える役割を果たしているわけだ。

契約選手たちが活躍する背景には、裏方の地道な努力もあるのである。

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