コンペでいつもより緊張し、あせってミスショットを連発してしまった。「また緊張してミスをしてしまった…」「折角練習してきたのに、今日もいまいちのゴルフだな…」とへこむ。ゴルファーに限らず多くのスポーツ選手のメンタルのコーチングをする中で「緊張」と「ミス」に関して、パフォーマンスを下げる次の2つの思い込みがあるようです。
【1】緊張するのはダメなこと
【2】ミスをするのはダメなこと
いかがでしょうか?「緊張すること、あせることはダメなこと」「ミスをするのはダメなこと」だと思っていませんか? 当然、そう思うほうが普通だと思います。緊張すれば体は硬くなるし、ミスをすればそれはスコアに影響する。だから「緊張もミスもダメなこと」そう思うのはもっともです。
しかし、「緊張する自分はダメ」「ミスをする自分はダメ」と自己否定すればするほど“その日”のゴルフのパフォーマンスは上がりません。
結論から言うとそのような自分も認めてしまうほうが“その日”のパフォーマンスは上がりやすいです。「緊張するのも自分。ミスをするのも自分さ」と自分を認めていく。このように「自己承認」することで自分らしいパフォーマンスを発揮することに意識を向けやすくなります。
なぜかというと人は承認欲求を満たせていない状態では自己実現の欲求にエネルギーを使いにくいからです。
アメリカの心理学者マズローが提唱したマズローの五段階欲求説によると人は「他者から認められたい、自分を認めたい」という承認欲求を満たすことで「目標達成のために自分らしく行動する」という自己実現の欲求に向うことができます。
ラウンドやコンペの日に関しては「今の自分でOK。緊張もミスをOK」と自分を認めたほうが「今日出来る自分らしいゴルフにチャレンジしよう」という自己実現の欲求にエネルギーを使えパフォーマンスを発揮しやすいという考え方です。
ですので、ラウンドやコンペ中に「緊張するのはダメ」「ミスするのはダメ」と自己否定することで承認欲求が満たされず、さらに引き続き、緊張しないように、ミスしないようにというポイントに注意が向き、なおさら緊張やミスする自分をイメージしてしまうという負のスパイラルに陥ってしまいます。そして、そういうスポーツ選手は実は多いのです。
自分のことを自己承認するためには「思い込み」を変える必要もあります。
【1】「緊張することはダメなこと」これはメンタルコーチからすると良い結果を出したいと思うのであれば緊張するのは当然なので「緊張はして当然」です。練習に比べて人にも見られているし、結果にもこだわるから緊張感があって当然なのです。
【2】「ミスをすることはダメ」という考えはどうでしょうか? たしかにミスをするとスコアに影響しますからダメなことに思えますが、ミスがないスポーツなんてありませんし、むしろトップアスリートは「ミスした分、上達する」という考え方を持っている選手も多いです。メンタルコーチからすると「ミスがあるのがスポーツ」だとニュートラルにとらえることがおすすめです。
ということで、ラウンドやコンペで緊張して、ミスを重ねてしまって「自己嫌悪」になってしまう方は、まずその自分も認めてあげる「自己承認」をすることをおすすめします。そうすることで、自然と自分らしいゴルフを楽しめ、パフォーマンスも上がるはずです。
ぜひ、実践してみてください。