「へぇ、ジャックって凄いんだね」20歳のタイガーは言った
スタンフォード大学を中退しプロの道を選んだタイガーの憧れの人はジョーダンだった。やがて2人はプライベートでゴルフを楽しみお互いを「親友」と呼ぶようになった。
タイガーのマスターズ優勝についてスポーツ専門サイト『The Athletic』の電話インタビューに応えたジョーダンは「ずっと彼のコアなファンだ。でも肉体面を考えるとカムバックはないと思っていた」と率直な思いを吐露している。
「誰も復活するとは思っていなかったんじゃないかな。できると信じていたのは本人だけかもしれない。まさに史上最高のカムバックだ」
「自分を信じてどうしたら復活できるかを冷静に考えすべてを立て直してきた。努力のプロセスは想像を絶する。ライバルたちはこれからが大変だ。なにせタイガーがマスターズに勝ったんだからね!」

史上最多メジャー優勝の記録はジャック・ニクラスの18勝。タイガーはメジャー19勝を挙げることができるのか、今後の活躍に注目だ(写真は2019年のマスターズ)
現在開催中のモンテカルロマスターズでベスト8に進出したナダルは「世界でもっとも好きなアスリートはタイガー。タフな時期を乗り越えて成し遂げたカムバックはとても感動的だった」。
セリーナ・ウィリアムスは劇的な勝利に「涙が止まらなかった」といい、ウェブ・ドットコムツアーに出場した経験を持つプロバスケットボール選手のステファン・カリーは「5着のグリーンジャケットのどれか1つでいいから着させて」とツイッターに投稿した。
20歳でプロデビューしたタイガーは「アマチュアになにができる」と先輩プロたちに揶揄されながら翌97年にマスターズで圧勝。ジャック・ニクラスに匹敵する逸材と呼ばれた。
当時のコーチ、ブッチ・ハーモンによるとニクラスを意識するタイガーがネットで戦績をチェック。「へぇ、ジャックってすごいんだねぇ」と嘆息したのだとか。タイガーを驚かせたのはメジャー18勝だけでなく(メジャーの)2位が勝利数と同じだけあったこと。

1997年のマスターズで「メジャー1勝目」を挙げたタイガー。それから22年でメジャー15勝を積み上げた
「この数字に追いつくにはいったいどれだけ時間がかかるんだ?」(タイガー)
あれから20年以上時が流れタイガーはいまニクラスが持つ史上最多メジャー優勝記録にあと『3』と迫っている。
マスターズの表彰式でタイガーにグリーンジャケットを着せた昨年の覇者パトリック・リードは「18勝? いやタイガーは19勝を目指さなきゃ嘘でしょ!」とライバルでありながら記録更新を切望した。
11年間止まっていたメジャー時計が動き始めたいま、本人も周囲も『19』というマジックナンバーを見据えている。
女子プロ・幡野夏生のドライバーショットをトラックマンで計測!井上透コーチと本人が徹底解説!~これってどうしてる?#8~
youtu.be