リードは月曜朝から練習。スピースはコーチをわざわざ帯同
今週月曜日の朝、人影まばらなアコーディア・ゴルフ習志野CCの練習場で黙々と球を打っている選手がいました。2018年のマスターズ王者、パトリック・リードです。
通常、月曜日の朝は移動日。メジャーでもない限り、多くの選手はコースに入りません。にも関わらず、リードが遠く日本の地で月曜の朝から球を打っているのには理由があります。それは、プレジデンツカップの米国代表に選ばれたいというモチベーション。
プレジデンツカップは米国選抜と世界選抜(ヨーロッパ以外)の対抗戦で、今年12月に開催されます。米国選抜・世界選抜ともにすでに自動選出される8名は決定していて、松山英樹選手も世界選抜に選ばれていますが、残り4名の代表枠を、キャプテンであるタイガー・ウッズが“キャプテンズ・ピック”として選ぶことになっています。
米欧対抗戦のライダーカップなど、国を代表して戦うときにやたらと強さを発揮し、キャプテン・アメリカとも称されるリードですから、当然、プレジデンツカップ代表に入りたいはず。しかもタイガー・ウッズはリードにとって憧れの人。なおさら選ばれたいという気持ちは強いはずです。
“本気度”が高いのはリードだけではありません。ジョーダン・スピースはわざわざコーチのキャメロン・マコーミックを帯同し、スウィングの調整を行なっています。練習場ではスピースの打席の後方にタイガーが陣取り、スピースの調子を見極めるように見つめる姿も見られました。当然ながら、こんなふうに他人の練習をタイガーが見守るのは異例です。
ここで米国代表を紹介すると、ダスティン・ジョンソン、ジャスティン・トーマス、ブルックス・ケプカ、マット・クーチャー、ザンダー・シャウフェレ、ウェブ・シンプソン、ブライソン・デシャンボー、パトリック・カントレーというすごい顔ぶれ。リード、スピースが選ばれていないことからも、アメリカの選手層の厚みのすさまじさがわかります。
だからこそ、キャプテン・タイガーの“御前”で調子の良さをアピールできるZOZOチャンピオンシップは、タイガーに選んでもらいたいアメリカ選手にとっては千載一遇のチャンスなんです。とくに、リードとスピース、ふたりのマスターズチャンピオンは目の色を変えて勝ちにくるはず。
ほかにも、ZOZO出場者の中ではゲーリー・ウッドランド、バッバ・ワトソンといった選手たちが出場権を持っていません。彼らも、きっと燃えているに違いありません。
ZOZOチャンピオンシップは、プレジデンツカップをひと月半後に控えた今だからこそ、一流選手たちの本気が見られる大会になるのは間違いありません。楽しみですね!
取材大会/ZOZOチャンピオンシップ 撮影/増田保雄