2本のウェッジ以外は、昨年からの継続
ウェッジ以外は昨年のまま。逆に言えば、今のクラブセッティングの満足度が高い証しでもある。契約先のブリヂストン担当者に聞いてみると…。
「吉田選手は、すべてがカチッと決まった感じで、ウェッジをBRMからBRM2へ移行したのみ。それだけ今のクラブを信頼しているようです」と回答。
最も長く使うのは、オデッセイ オー・ワークスのパター。プロ入り前から5年以上で、ホワイトホットインサートを埋め込んだプロトタイプは軟らかな打感が特徴。「このインサートだと、打感と打音と出球のスピードがぴったり合うんです」と本人。
ツアーB JGRのユーティリティも2019年モデルを長く使っている。オフセットが強めでボールをつかまえやすく、同じブリヂストン契約の古江彩佳も愛用し続けるモデル。ユーティリティの隠れた名器かもしれない。
3Wだけテーラーメイド。SIM2 MAXを長く使う
SIM2 MAXの3Wも長く愛用する一本。シャフトはスピーダーNX グリーンの50-S。使用中のB1ドライバーとSIM2 MAXの3Wを比べると、ヘッドの輪郭とカーボンクラウンの入り方、フェース側のトウとヒールに伸びる斜めのデザインが似ている。
B1ドライバーは、一昨年のリコーカップから。ロフトは9.5度、長さ45インチ。昨夏、ベンタスブラックからスピーダーNXグリーンにシャフトをスイッチ。
「B1ヘッドにNXグリーンを組んだら、弾道がさらに安定して、ドローもフェードも曲がり幅自体が小さくなりました。だから、自信を持って強く振っていけます。今は、進化できるように自分のフィジカルよりも少しハードめなスペックを選んでいます」(本人)
常にトレーニングを続けているプロの一人。フィジカルの強度も上がり、使い始めの‟ハードめ”から、今は‟ジャスト”な使い心地になっているのかもしれない。昨年とのスタッツ比較では、平均飛距離は横ばい(237ヤード)だが、フェアウェイキープ率が71%から75%に上昇している。
ネック調整はN(ニュートラルポジション)。ソールの前寄りに貼った2枚の鉛も昨年から変えて
いない。「スピン量を少し減らす位置に貼ってあります」(同担当者)
アイアンはブリヂストン221CB。5Iのみ高く上がる222CB+
6I~PWの221CBアイアンは、昨年のサントリーレディスから。「前モデルの201CBから全く違和感がなく、狙ったラインと高さに打てる精度がアップしたので即スイッチしました」とはスイッチ当初の本人コメント。5Iのみ、高弾道が打ちやすい222CB+アイアンを入れる。
ウェッジは、アイアンの延長的役割の48度はツアーB BRMウェッジ。52度と58度はBRM2ウェッジ。溝がすり減ったBRMウェッジからの更新。詳細は非公開だが‟無限チューン”仕様のプロトタイプ。シャフトはアイアンと同じKBSツアー90のS。
ボールはツアーB X。パットの打感を重視する吉田は、打感がしっかり伝わって自分のタッチに合うと選んだ。赤と黒のブリヂストンコーポレートカラーが特徴だ。
1年半、優勝から遠ざかっているが、3勝目を狙う吉田優利の“盤石セッティング”と言えそうだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年5月2日号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Hiroaki Arihara、JGMA)