ジェイルバードのパターで、パットのスタッツ劇的上昇
昨秋のZOZOチャンピオンシップで復活優勝を飾ったキーガン・ブラッドリーの復調の要因はパターにあったと、前回お話したとおりです。まずはパットのスタッツから見てみましょう。
キーガン・ブラッドリーの2021~22年ストローク・ゲインド(SG)パッティングは88位。これは2013~14年以来のトップ100入りです。
88位では大したことはないと思いがちですが、前年まで180位以下だったキーガンのパットを考えると劇的上昇です。現在のフェデックスカップのポイントランクは、7位と好調です。(※5月14日時点)
彼のパターのフィッティングを長年サポートしてきた元オデッセイのJ・トゥーロン氏はヴァーサ・ジェイルバードを使い始めた経緯をこう語ります。
「2021年に現在のパターを試し始めました。少し長めの38.75インチですが、打ち方はビリー・ホーシェルと同じスタイル。左手を下(低い位置)に握り、右手は左ひじと左手の中間に添えるように握っています」
「これは、彼が2011年にメジャーに優勝したときの長尺の、セイバートゥース パターに似たフィーリングを求めた結果だと思います。ヴァーサ・ジェイルバードが気に入っているのは、白と黒のツートンカラーの視覚的効果で、フェースの向きをより正確に認知できるからです」
リッキー・ファウラーも同モデルを使用中
キーガン・ブラッドリー同様に、復活を期すリッキー・ファウラーも、今年に入って同じパターを使い始め調子を上げてきています。それは偶然だと思いますが、最新のパターがすべてのプレーヤーにフィットするわけではなく、9年前のモデルが機能することもある、つまりフィッティングは誰にとっても重要だということです。加えて「コーチの存在も大きい」とトゥーロン氏は言います。
「フィル・ケニオンに師事したのは、彼がジェイルバードを使い始めたのとほぼ同じ時期。コーチのフィルはヴァーサテクノロジーの支持者でパター(道具)がゴルファーにもたらす効果は大きいと言います。2人は長い時間をグリーン上で費やし、切磋琢磨した結果、再び第一線に返り咲いたのです」
ちなみにシャフトはダブルベンド、ロフトは4度、ライ角70度、総重量655グラムでスーパーストローク トラクション・リストロックグリップが装着されています。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月6日号より(PHOTO/Blue Sky Photos、Hiroyuki Okazawa ARRANGE/Mika Kawano)