プロコーチと編集部が選んだ「今見るべき7人のスウィング」を4回に分けて解説。正面に加え、背中側からの連続写真を読み解くことで、これまであまり語られることのなかった“細部の動き”を多角的に検証。今回は、いま日本男子プロのなかでもっとも活躍している選手のひとり、平田憲聖のスウィングをツアーコーチの植村啓太プロが解説。アマチュアが参考にしたいポイントも併せて紹介。
画像: 右軸気味に振るので、フォローで右足がベタ足のまま振り抜いていく

右軸気味に振るので、フォローで右足がベタ足のまま振り抜いていく

平田憲聖は、フェースの開閉を抑えて運ぶように打つ

正確無比なティーショットを武器に日本プロでは4日間首位を守った平田憲聖のスウィングは、まさに今どきの男子プロの主流スウィングだと植村は言う。

「(※第3回で解説した)畑岡プロとは対照的にフェースの開閉を抑えて、体のキレで打っていくタイプです。フェースの向きが変わらないので、当然曲がりにくくなります。ポイントは右足のベタ足と右ひじの使い方にあります。右足はフォローまでめくり上がることなく、体の右サイドを軸に回転しています。その際に、右ひじの角度をキープしたまま、体の回転で球を押し込んでいます。もちろん体の回転力がないと飛ばすことはできないため、飛ばしたいと思っているアマチュアには不向きですが、曲げたくないという人にはこの右ひじは真似るべきポイントです」(植村プロ)

スウィングタイプは違うもののひざの使い方に関しては畑岡も平田も共通点があると植村は言う。

画像: トップからダウンスウィングで、トップの右ひじの角度と両ひざの間隔が変わらないのが平田の特徴だ

トップからダウンスウィングで、トップの右ひじの角度と両ひざの間隔が変わらないのが平田の特徴だ

「畑岡プロ同様に平田プロも両ひざの間隔が全く変わりません。止めるのではなく安定させているのが正しい表現で、両ひざの間に挟んだボールを落とさないで振るイメージです。体の右側で軸を作っていることが背面から見るとよくわかります」(植村プロ)

ベタ足&右軸でインパクトゾーンを長くできる

画像: 平田は、ボクシングの右フックを打つように右ひじを曲げた状態でインパクト。右足をベタ足にして、ボールを体のキレで押し込んでいると植村プロ

平田は、ボクシングの右フックを打つように右ひじを曲げた状態でインパクト。右足をベタ足にして、ボールを体のキレで押し込んでいると植村プロ

植村は平田のスウィングを背面から見た時の左のお尻に注目してほしいと言う。

「右ひじを曲げた状態でスクエアなインパクトを迎えるためには腰をかなり切る必要があります。左お尻を後方に回す動きを意識して、クラブを引っ張りこむ左リードの動きが長いインパクトゾーンを生み出します」 

フェース面をいかに開閉させずに真っすぐ動かすかが、曲げないためには重要になる。

平田がプレッシャーのかかる場面でも堂々と振り切っていけるのは不動のフェースコントロール力があるからだ。

平田のスウィングのような方向性アップのための2つのドリル

画像: 右ひじの角度を変えず右足内もも軸で鋭くターンする練習法

右ひじの角度を変えず右足内もも軸で鋭くターンする練習法

◆方向性アップドリル① 両ひざの間隔が変わらないように振る

トップから右ひじを曲げた状態でインパクト。右手のひらをフェース面に見立てて、手のひらで押し込むイメージをつかみます。

画像: 右腰の高さでフェース面を背骨と平行にしてから、フェース面を変えずにインパクトするドリル

右腰の高さでフェース面を背骨と平行にしてから、フェース面を変えずにインパクトするドリル

◆方向性アップドリル② フェース面と右ひじの角度を変えずに打つ

腰の高さの位置でフェース面と背骨の角度を平行にセット。そこからフェース面を変えずにインパクトします。

PHOTO/ARAKISHIN、TadashiAnezaki、Hiroyuki Okazawa、Yasuhiro JJ Tanabe

THANKS/プレミアムゴルフスタジオ代官山

※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月22・29日合併号「この夏見るのはこの7人! 背面&正面最新連続写真大特集」より

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