アイアンを買い替えたくて、YouTubeやWEBを検索三昧。どのチャンネルでも褒められている、あのアイアンが気になる。悪く書くサイトもない。ただ、評判が良いと疑いたくなるのは私だけではあるまい。
良い評判だけ聞いて買った人気の硬派アイアンは替えた途端、飛距離ダウン。構えやすさ、打感は噂通りだったが、ロフトが寝ていた。失敗で経験値が上がり今回はショップで試打してみることに。
室内の試打ブースは苦手だが1発目から手に残る感覚が心地よい。飛ばない硬派なアイアンと遜色ない。でも私の嫌いなオレンジの弾道計測器から表示される数値に驚く。「今までより飛んで、この構えやすさとこの打感!? こんなにいいの?」。
「飛ぶけど降下角度が大きいので止まるんですよ、ヤマハの『RMX VD/Mアイアンは」と〝推し〟らしく打席のスタッフはかなり笑顔だ。
「ボディは軟鉄鍛造なのでライ角・ロフト角の調整が可能で、フェースは〝ばね鋼〟で、飛距離と最適スピンを両立するためにフェース裏面に溝を配置する新構造を採用し、フェースの広範囲で高初速帯を生み出してます。ボディのヒールに番手別で機械加工を施しているので、重心がフェースセンターに近寄り、球のよじれが少ないイメージ通りの弾道になりやすいんです」
「バックフェースには、肉厚の樹脂バッジを採用することで、フェースの振動をコントロールして、アスリートゴルファーが好む打感になっています。重心深度を深くし、スイートスポットが広がって、球が上がりやすく、寛容性も備えています」と冗舌。
「藤田寛之プロが『飛距離と止められるが両立している』と、すぐに使って、日本シニアオープンに勝っちゃったんです! お客さんも買っちゃいます?」とトドメを刺しにきた。彼のダジャレにハマる。気持ちよくハマったおかげで、ボールが飛ぶわ、止まるわ、私の笑いだけが止まりません。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年11月7日号より(PHOTO/Takanori Miki)