「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけてきたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はタイプの違うパターを使い分ける効用ついて教えてもらった。
画像: ツノ型の「ホワイトホットXG#7」をセンターシャフトに改造したパターを使う石川遼

ツノ型の「ホワイトホットXG#7」をセンターシャフトに改造したパターを使う石川遼

エースパター以外にセンターシャフトのパターを持っておきたい

みんゴル取材班(以下、み):石川遼選手は長年エースパターだった「プロタイプiX #9HT」を「TRI-HOT 5K THREE」に替えた途端2022年の三井住友VISA太平洋マスターズで優勝。最近は「ホワイトホットXG #7」をセンターシャフトに改造した特注パターを使用しています。パッティングの調子は上がっているように見えますが、宮城さんはこのパターチェンジをどう評価しますか?

宮城:遼は昔から#9をエースとして使っていましたが、パッティングに迷ったときには#5のセンターシャフトで感覚を取り戻していましたよ。

み:今回が初めてではなかったわけですね。片やトウバランス、片やフェースバランスでタイプがまったく違うわけですが、チェンジすることでどんなメリットがありますか。

宮城:ネックがヒールに付いている「プロタイプiX #9HT」や「TRI-HOT5K THREE」のようなパターは、ショットと同じようにフェースを開閉するイメージで打ちますが、ひっかけや押し出しのミスが出始めるとなかなか原因がつかめず、打ち方がわからなくなります。

み:センターシャフトを使うと解決するわけですか。

宮城:ぼくもセンターシャフトをいくつも開発してきた経験上言わせてもらうと、センターシャフトを持つとヘッドが消えます。

み:え、視界から消える?

宮城:そうではなく、フェースを真っすぐ出そうとか、開いて閉じようとする意識が消えて、シャフトをプレーン上でまっすぐ動かすことしか考えなくなります。だからパターの基本的な打ち方に戻れるわけです。

み:アマチュアもパターの2本持ちはアリですか。

宮城:パターチェンジはぜひ真似をしてください。究極はストローク中にシャフトしか感じないロングパターですが、エース以外にセンターシャフトを1本持っておくといいでしょう。

み:ロングパターはちょっと抵抗があるし、センターシャフトは芯を外すと難しそうです。

宮城:中古のキャッシュインを安く手に入れるのもおすすめです。ラウンドで使わなくても、スタート前にセンターシャフトやキャッシュインで練習するだけでも効果はあります。アマチュアの方を見ているとスタート前は球打ちがメインで、パッティングはスタート直前に5球とか10球とか申し訳程度に転がして出ていく人が多いけれど、PGAのプロはまずパターから練習を始めるし時間をかけています。せめて10分くらいは練習して感覚をつかんでください。

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