利夫は練習をするための「体」、その体を活かして練習量をこなすことを「技」、毎日継続する「心」の「体・技・心」の順番がゴルフの上達に必要だと考えていた。早朝の球打ち、ひと足お先の放課後のラウンドなど秀憲も幼少期からこの伊澤塾の「3カ条」を肌で感じてきた。現在、祖父と同じ指導者の道を歩んでいるが、祖父利夫とは違う伊澤秀憲的「体・技・心」を考えている。

体が強いだけでなく、肉体を思いのままに操れることが「体」

「僕も祖父と同じく体・技・心の順番が大事だと考えています。量と質の高い練習をするために、それをこなせるだけの体力が必要だと思います。そして自分自身の体を思い通りに動かせることも同時に大切だと思います」

「莫大な練習をこなせるように体力づくりがあり、量と質が高い技術練習ができた」と言う

様々な方法で鍛え、獲得した肉体を使いこなせるようにチューニングするところまでをセットで取り組むというのが秀憲の考える「体」だ。

例えば現在のゴルフ界ではウェイトトレーニングを取り入れ、パフォーマンスを上げることが主流になっている。ウェイトトレーニングで筋肉を増強し、スウィングスピードが向上し飛距離アップにも繋がる。それに伴い生まれる変化にアジャストすることが重要だ。
過去の自分よりもクラブを速く振れるということは、トップからの切り返しやスウィングのリズムも変化する。だからこそ鍛えた体を思いのままに動かせるようにならなければならない。

肉体を思いのままに操ることを「体」とし、続く「技」は祖父のもとで叩き込まれた圧倒的な練習量と合わせて、「組み合わせを知ることが重要」だと秀憲は言う。
「狙った場所に打つ」というとき、真っ直ぐな打球で狙うのか? 曲げて狙うのか? というように複数の選択肢がある。

「狙った場所に打つための方法が何通りもあることを知っておくこと」が重要だと言う

さらにそれぞれの球を打つためのクラブの使い方、体の動かし方は何通りも存在する。

目的に対して向かう道筋や技術の正解は一つではない。その組み合わせを知る第一歩として「弾道計測器がデータ分析でもとにしているDプレーン理論を知っておくと手助けになる」と秀憲は言う。

組み合わせが何通りもあることを知っていると、自分で分析しオリジナルの型を創り上げることにも繋がる。

そして最後の「心」は「成功や失敗にとらわれずにたくさん試し、どんなことにも好奇心を持ち続けることです。そしてすぐに結果を求めようとしないで取り組むと決めたものを継続させることが近道」と言う。継続するなら楽しむ気持ちがなければ続かない。秀憲も今でも幼少の頃のように試行錯誤をする楽しさを持っている。

秀憲が思う「体・技・心」は技術練習を長く行うための肉体の鍛錬とそれを自由自在に操れる身体操作の「体」。「技」は道具の原理原則をもとに祖父仕込みの練習量を組み合わせることで、固定概念に縛られず技術を向上させられる。そしてゴルフを上達するためには短期的な成功や失敗にとらわれず、日々の積み重ねとそこから発見する楽しさを「心」としている。

伊澤塾で刻まれた「体・技・心」をさらにゴルフを探求するためのエッセンスとして秀憲はブラッシュアップさせている。

【プロフィール】
伊澤秀憲(いざわひでのり)/1991年6月生まれ。神奈川県出身。叔父伊澤利光の父であり、祖父の利夫氏に2歳からゴルフの英才教育をうけながら、ジュニア時代は同世代の松山英樹、石川遼らとしのぎを削ってきた。YOUTUBEチャンネル「アンダーパーゴルフ倶楽部」にてショートゲームを中心とした動画を配信中!

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