伊澤塾の定番メニューのひとつ「早朝球打ち」は、秀憲の実家の目の前にある中学校で行われていた。土のグランドから打つアプローチ練習は難易度が高かった。そんな条件でも秀憲は、「なんとしてでもボールを止めよう」と夢中になって試行錯誤をした。ベアグラウンドでボールを止められる技術は、ショートゲーム巧者の石川遼も唸るものがある。

癖を生かしたスウィングづくり

「20歳の時にレッスンを始めて、いろんなタイプのゴルファーを見ていく中で、癖に引っ張られる人が多い」ことに気づいた。それならば、スウィング中に自然に出る動き、無意識に体に身についている癖を生かすことはできないか。人それぞれの癖にあった技術を組み合わせていくことで、「その人だけの型」を創り上げることができると考えた。

画像: 無意識に出る癖がスウィングの基本の型になると気づいた。その癖を活かして技術を組み合わせていくことで、自分だけのスウィングの型ができあがる

無意識に出る癖がスウィングの基本の型になると気づいた。その癖を活かして技術を組み合わせていくことで、自分だけのスウィングの型ができあがる

歴代の伊澤塾生、伊澤利光と細川和彦を比較しても、同じ練習内容をこなしていたにもかかわらずスウィングはまったく違う。伊澤塾の圧倒的な練習量と時間の中で、自分に合う動きを見つけ出し創り上げていた。

自分の癖をベースにスウィングの完成を目指すときに大事にしてほしいのが、「無意識にできるようになる」、「すぐに結果を求めない」。この2つだと秀憲は言う。

無意識にできるまでは長い時間をかけて1つずつ段階を踏むことが大切だ

「自然にできるようになる前段階には、意識をしながらできるようになる必要がある」と言う。これは秀憲の経験を紐解くと、ベアグラウンドで球を止めるために試した数々の技術は、圧倒的な量をこなしていたことで、無意識にできるようになっていた。ひとつひとつの技術が癖として身についていた。

無意識にできる技術を身につけるために、ひとつひとつの動きを意識して練習する。秀憲の例で言えばベアグラウンドで球を止めるために、ボールに対してのクラブの入れ方を確認しながら打っていたことだ。さらに、「意識をしながら正確にできるようになるための練習量」が必要だと言う。

もうひとつ大事な要素となる「すぐに結果を求めない」ことは、今まで自分がやったことがない動きを意識しながら反復するのだから、違和感があったり、上手くボールを打てないのは当たり前。「慣れてないから仕方ないこと」、これが馴染んできたときが無意識にできる技術が身についた目安になる。

「時間をかけて向き合うこと、長い目で見ること」が重要と秀憲は言う。秀憲の技術も幼少のころから日々行っていた伊澤塾での練習の積み重ねで身についたものだからこそ、結果を急がないことが一番の近道だと考えている。
秀憲がベアグラウンドで学んだことは、上手くなるための心構えと練習への取り組み方だった。

【プロフィール】
伊澤秀憲(いざわひでのり)/1991年6月生まれ。神奈川県出身。叔父伊澤利光の父であり、祖父の利夫氏に2歳からゴルフの英才教育をうけながら、ジュニア時代は同世代の松山英樹、石川遼らとしのぎを削ってきた。YOUTUBEチャンネル「アンダーパーゴルフ倶楽部」にてショートゲームを中心とした動画を配信中!

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