大慣性モーメントが苦手な人に試してもらいたい
GD 実際に打ってみると、『RS』と『RS MAX』はそれほど大きな性能差がないとのことでしたが、この2つで迷ったらどうしたらいいですか?
長谷部 スウィングが安定していないのでしたら、重心距離が調整できる『RS』を選択したほうが、レッスンを受けた結果スウィングが変わってしまった時にも、調整幅があったほうが安心して長く使うことができます。
GD 『RS』と『RS MAX』には、 純正シャフトとして『ディアマナ for PRGR』と『テンセイ for PRGR』の2つのシャフトが用意されています。この2つのシャフトの違いは何ですか?
長谷部 『テンセイ』のほうがちょっとハード目なので、フレックス「R」の設定がありません。ある程度、力のある人向けの設定で考えられているシャフトだと思います。ディアマナのほうが少しやさしくアレンジされていて、無難なしなり感のあるシャフトなので、どちらかと言えば一般アマチュアには『ディアマナ』を中心に動くのではないでしょうか。RSのヘッドでもディアマナで十分対応できると思います。
ただ大慣性モーメントのヘッドを使うにあたって、ある程度シャフトをしっかりさせたいという考え方もあります。やさしいヘッドに対してしっかりめの『テンセイ』を入れる発想も、もちろんあって、つい先だって、ジャスティン・トーマスがシーズン途中にドライバーのヘッドサイズを変えた。その時に50グラム台のフレックス「X」から、60グラム台の「SX」に変えたという情報がありました。
それと同じように、やさしいヘッドと難しい(重めのしっかりした)シャフトの組み合わせ、ちょっとコントロール性が強いヘッドとやさしい(軽め振りやすい)シャフトの組み合わせというのも十分あり得るので、その辺はフィッティングで自分の振りやすさとか、プレースタイルに合わせて選んでいけるんじゃないかと思います。
純正シャフトは3種類。『RS』と『RS MAX』は『テンセイ for PRGR』、『ディアマナ for PRGR』のいずれかをチョイスできる。『テンセイ』は53g(S)、50g(SR)の2スペック。『ディアマナ』は48g(S)、46g(SR)、44g(R)の3スペック。『RS F』の『ツアーAD for PRGR』は56g(S)、51g(SR)
GD 今回フルチタンに戻ったということで、艶消しのブラックになり全体的に締まっていてカッコいいなという印象です。差し色がブルー(ピーコックグリーン)になって新しいRSシリーズの誕生という感じなんですけど、おすすめするゴルファー層はどんな方だと思いますか?
長谷部 この春はテーラーメイドの『Qi10』、キャロウェイの『Aiスモーク』、ピンの『G430 MAX 10K』がかなり話題となり、どうしてもそっちに目がいってしまいがちですが、打ってみたけれど大きなヘッドが合わないという人たちにとってみれば、「RSシリーズ」は飛ばすためのヘッド性能を初速という点で極めているドライバーなので、ちょっと違った軸で試してもらうにはいい機会だと思います。
今回の春の新製品に出遅れた人たちにとってみれば、シーズンインになって体が動くいい状態のなか、非常に注目すべきドライバーなのではないでしょうか。
GD 今流行りのストレッチ形状も、そんなに強くなかったですし。
長谷部 構えて非常に自然な形だったので、大慣性モーメントのドライバーがちょっと苦手だなという人たちにとってみれば、使いやすく、なおかつ飛ばせるドライバーになっています。
GD 現在のスピード化の先陣を切ったプロギアですが、クラブ開発をしていく中で、一日の長みたいなものってあるんですか?
長谷部 間違いなくあります。チタンの製造管理、素材開発のところでは、他社から抜きん出ているところがあると思うので、これを本当に信頼して皆さん使っていいんじゃないかなと思います。 もちろん、いろんなメーカーも反発性能上げる工夫をしているので、性能自体は徐々に上がっていると思いますが、ひとつひとつの製造公差、我々が商品を買うときのバラツキに対してもちゃんと担保しているプロギアの製造技術はしっかり評価されるべきなんじゃないかなと思います。
※2024年6月3日14時35分、一部加筆修正しました。
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