レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。フルスウィングしたときに気持ちよく振れるように「ハーフスウィング」からレッスン中。クラブを持つ前の体の使い方をマスターするための連載8回目は「右に背骨を傾けたままアドレスからフィニッシュまでキープするという基本動作」を解説。そのドリルと体が動く順番をを紹介しよう。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本⑧】
画像: テープを鏡やガラスに斜めに張って、背骨の角度をチェック

テープを鏡やガラスに斜めに張って、背骨の角度をチェック

バックスウィングは手から動かし、ダウンスウィングは足から動かす

原田 ここまで「背骨が目」、「背骨が右へ傾いていれば左への体重移動も自然にできる」という話をしてきましたが、これを身につけるためのいいドリルがあります。一番いいのはね、大きな鏡とかガラスに前傾姿勢を作った自分の姿を映して、それと同じ傾きでテープを貼るんです。貼るのはガムテープでもビニールテープでもOKです。それに向かって体幹ターンドリル(※)をやってください。左に回ったとき、そのテープの傾きに自分の背骨の傾きを合わせればいんです。

GD テープは曲げて(猫背のように)貼るんですか?

画像: 背骨の傾きをキープしながらアドレスからフィニッシュへと「体幹ターンドリル(※文末に解説)」を繰り返す

背骨の傾きをキープしながらアドレスからフィニッシュへと「体幹ターンドリル(※文末に解説)」を繰り返す

原田 いや、斜めに真っすぐで大丈夫。そこから自分の体がはみ出しちゃったらダメってことです。

GD あそこに大きな鏡(ガラス)があるのでやってみます。

原田 そうそう、そんな感じです。

GD ただ、自分の背骨の角度がそもそも合っているかどうか? 角度の目安とか、真似したらいい角度の選手とかいますか?

原田 選手によって前傾姿勢が深かったり浅かったりするから、誰を真似すればいいというのはないですけど、私たちの指導者カリキュラムの中では、目安を定めていますよ。

GD それは?

原田 まず前傾姿勢を作るときには、腰を引いて上体を前傾させます。真っすぐ立っているときはターゲットの後方から見て肩の前の線は足の甲の上にあるんですけど、それをつま先にくるようにします。そのまま両ひざを足の親指つけ根の上まで曲げるんです。この形、姿勢が基本になります。

GD なるほどです。下半身がどっしりしてバランスがよく、動きに安定感がありそうです。このドリルは自分ひとりでできるから便利です。これを毎日繰り返したら背骨の角度が身につきそうですね。

原田 「背骨が目」という話と、それに関連してもうひとつ強調したいことがあります。”ゴルフが上手いといわれる人”、”ボールを遠くまで飛ばす人”のダウンスウィングのクラブの入り方です。

GD 左サイドへの体重移動の動きと同じタイミングの動きについてですね。

原田 背骨が右に傾いている形をキープしながらダウンスウィングに入ってくると自然に左への体重移動ができ、私がこれから話そうとしているクラブの良い入り方ができるのですが、その前に忘れてはいけないことを説明します。

GD 忘れてはいけないこと?

原田 それは体の動きの順番です。とにかくいわゆる上級者、ボールを遠くに飛ばす人はクラブのヘッドが先に下りてこないんです。ヘッドが先に下りてこないような動きを身につけるために私たちはタイミングという動きの順番を決めています。

GD タイミングとは? それはどんなものなのでしょうか?

画像: バックスウィングは手が1、腕が2、肩が3、腰が4、足が5の順番で動く

バックスウィングは手が1、腕が2、肩が3、腰が4、足が5の順番で動く

原田 バックスウィングは手が1、腕が2、肩が3、腰が4、足が5の順番で動きます。ダウンスウィングは逆に足が1、腰が2、肩が3、腕が4、手が5になります。だから、もうおわかりとは思うけど、ダウンスウィングは体重移動が先ですよね。

GD 原田プロが言うクラブの入り方とは、もしかして、いわゆるタメという話ですか? トップでできた手とクラブの角度をインパクトまでキープするとか、早くコックがほどけてしまう、最近よく聞くアーリーリリースにならないようにするとかですか?

原田 「タメ」とは言わないかな。私の言い方としてはクラブの入り方ですね。でも、ニュアンスとしてはそういうことだけど。

GD クラブの入り方で大事なことは何ですか?

原田 クラブが前から入ってこないってことです。体の後ろから入ってくるってことです。

GD 前からというのは飛球線、ターゲットラインよりも前から入ってこないというこですね。つまりカット軌道にならない、アウトサイドインにならないようにするということですね。

原田 そうそう。

画像: ダウンスウィングは足が1、腰が2、肩が3、腕が4、手が5の順番で動かす

ダウンスウィングは足が1、腰が2、肩が3、腕が4、手が5の順番で動かす

GD そのときに背骨の右への傾きをキープできないとどうなるんですか?

原田 体が起きちゃったり、逆に背骨が左へ傾いていたら、クラブヘッドがターゲットラインの前から入ってきちゃうんです。つまりアウトサイドインの軌道ですよね。それだと手の動きになっちゃうんです。何度も言っていますが、手の動きは体全体の体重からすると2割しかない。その手の動きを作る土台が、背骨の角度をキープすることなんです。

GD 背骨の角度をキープできないと、理想的なクラブの入り方にならず、自分の体重のパワーを効率よくボールに伝えることができないわけですね。でも、背骨の角度を保てれば、そういうエラーがなくなるんですね。

原田 ターゲットラインのインからクラブが入ってくる土台を作る体の動きなんです。

GD 言葉を換えれば、背骨の右への傾きをキープしたまま切り返してダウンスウィングに入ってくれば、自動的にクラブが遅れてきて、理想的なインパクトを迎えられるってことですか?

原田 そうです、そうです。アドレス時に作った背骨の右への傾きは本当に大事なんです。

次回はようやく「クラブを握る」話に入ります。お待たせしました。

※「体幹(ボディ)ターンドリル」を解説

画像: 原田プロが推奨する基本ドリル「体幹(ボディ)ターンドリル」

原田プロが推奨する基本ドリル「体幹(ボディ)ターンドリル」

胸の前に両手をクロスして体を回すドリル。(右打ちの場合は)右手が下になるようにして、右手、左手の順で胸につけて構えて、アドレスからフィニッシュへと連続で体を動かす基本動作。

レッスンプロのカリキュラムで重要なドリルのひとつだ。

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