一心不乱にクラブを振り続けていた学生時代から、大人になりゴルフ以外の物事から何か吸収できないかと秀憲は視野を広げていた。振り返っていくとクラブを握っていない時にゴルフの上達に繋がるヒントが転がっていた。幼少期の掃除の時間のひとコマ、小学生の時に触れたとあるスポーツ……、秀憲の好奇心と遊び心から導いた少し変わったゴルフ上達法に迫った。

遊びながら掴んだゴルフ上達

「これはゴルフに生かせるかもしれない」

それは小学四年生の時に参加した地域の子ども会で催されていた卓球でのことだった。人が足りていない中、穴を埋めるために秀憲は助っ人として呼ばれた。自分の順番が回ってくるまでの間、一人でラケットを握りボールに対して色んな角度からスピンを掛けてみた。

「実際に卓球でどうやったらスピンが掛かるのかを試してみると、ゴルフボールの比にならないくらいスピンを掛けられるのですごい楽しいんですよ」と当時を振り返ってくれた。

ゴルフではあり得ない軌道を描く様が秀憲を虜にした。そして楽しさに加えてゴルフに活きる部分が明確にあった。卓球のイメージをウェッジに置き換えゴルフボールに対し、どのようにフェースを入れたら様々なスピンが掛かるのかを頭でイメージしやすくなった。

普段はゴルフの練習があり、頻繁に参加はできなかったものの時間に余裕がある時は継続して参加した。そして卓球の試合よりもボールへスピンを掛ける方法を探し試すことが何よりも楽しかった。

ゴルフの時と同じように卓球の練習でもバリエーションをつけた。具体的には「目標物を置いて色んな回転を掛けて当てることをしました」と言う。さらに卓球でのスピン練習は室内を抜け出しゴルフと融合をさせた。

「卓球のラケットにシャフトを挿してみたりしたこともありますね。ラケットの柄が割れたりして大変でしたけど(笑)」。

ゴルフのスウィングをしながら卓球ボールを打てればさらにスピンのイメージをさせやすいと思いラケットとシャフトの合体を試みた。いざやってみるとラケットが軽すぎるあまり振り心地がクラブとかけ離れていた。

最終的に辿り着いたのが、卓球のラケットのラバーをサンドウェッジのフェースに貼り、卓球ボールを打つことだった。

この方法はゴルフのスウィングのリズムのまま打てた。スピンが強烈に入ることに加えて、ゴルフボールでスピンをかける時のイメージや、変化する原理を体感するのにうってつけの練習だった。

卓球でスピンの掛け方や変化をする原理を知ることができた。今でもその時のイメージで様々なスピンショットを打っている

「卓球で養ったスピンの掛け方のイメージは今でもよく使います。大人や子ども関わらず楽しみながらできるのでおすすめです」と言う。力がない人や、まだ成長期でヘッドスピードが足らずに上手くスピンが入らない子どもでも、軽い卓球ボールなら簡単に様々なスピンショットを打てる良い練習だ。

ホウキ遊び、卓球と一見ゴルフとはかけ離れた物だが、それぞれに上達へ導く第一歩となる要素が盛り込まれていた。そして2つに共通していることは遊び心の中で取り組み行き着いた方法だった。ゴルフに縛られず広い視野で活かせる方法を見つけ出す探究心が秀憲のゴルフ上達への欠かせない一つだ。

【プロフィール】
伊澤秀憲(いざわひでのり)/1991年6月生まれ。神奈川県出身。叔父伊澤利光の父であり、祖父の利夫氏に2歳からゴルフの英才教育をうけながら、ジュニア時代は同世代の松山英樹、石川遼らとしのぎを削ってきた。YOUTUBEチャンネル「アンダーパーゴルフ倶楽部」にてショートゲームを中心とした動画を配信中!

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