広島県廿日市市にある鷹の巣GCがそれ。
同GCは県内3つのプロスポーツチーム(野球の広島東洋カープ、サッカーのサンフレッチェ広島、バスケットボールの広島ドラゴンフライズ)の各チームカラーやロゴ、マスコットキャラクターなどを乗用カートにデコレーションした。導入したのは1チームにつき2台ずつで計6台。
カープは1950年、原爆による被害復興の象徴としてスタート。長らく親会社を持たない市民球団として存続してきた。資金難に陥ったときには球場前に酒の四斗樽を置き、「たる募金」によってピンチをしのいだ。新球場建設の話題が取り沙汰された2000年代には募金額が1億円を超えたという。
サンフレッチェの設立は1992年で、93年の初年度からJリーグに参戦。J1リーグ優勝を3回達成している名門だ。
ドラゴンフライズは2013年設立で勢いがあり、広島県3番目のプロスポーツに位置付けられている。
「地元広島県のプロスポーツチームを、ゴルフ場でも応援できないかと考えたのがきっかけです」とは、同GC支配人を務める中谷輝夫氏。ロゴやマスコットキャラクターの権利使用は大変だったろうと思いきや、「各チームのスポンサーやオフィシャルパートナーの別会社を通じて依頼したら、快く使用許可をいただきました」(前出、中谷氏)。地元を思う気持ちが伝わったのだろう。
これらの乗用カートは原則予約はできないが、カープ仕様の赤とサンフレッチェ仕様の紫にちなみ、会員の還暦や古希を祝うコンペなどで優先的に利用できるようにしている。
またカープのユニフォームに還暦を示す「60」の背番号、サンフレッチェには古希の「70 」の背番号をつけたユニフォームを貸し出し、乗用カートと一緒に記念撮影ができる粋なサービスも始めた。
今後はこのカートを活用したイベントを企画中という。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年7月23日号「バック9」より