ジャック・ニクラスはかつての友人でビジネスパートナー、ハワード・ミルスタイン氏との間で、いくつかの法廷闘争を繰り広げている。その1つに勝訴し、本人は喜色満面だ。
画像: 帝王ジャック・二クラス(写真は1979年全英オープン優勝時)

帝王ジャック・二クラス(写真は1979年全英オープン優勝時)

7月初め、中立的な仲裁人であるデビッド・リヒター氏が「ニクラス氏はニクラス・カンパニーの競業禁止契約に、もはや縛られていない」として、「本人の名前でコース設計を独自に行うことができる」と判断した。

ニクラス・カンパニーはニクラス本人が設立した会社だが、現在は米国最大のプライベートバンクのオーナーであるミルスタイン氏が経営している。07年に1億4500万ドル(現在のレートで約226億円)を投じ支配株主になったが、ニクラスは彼のリーダーシップに不満を抱き、17年に完全撤退を求めた。

ニクラスは会社を離れ設計家として独立を試みたが、ミルスタイン氏はあくまでもニクラス・カンパニーを通じて仕事をするよう強要。22年にニューヨーク州裁判所で、ミルスタイン氏がニクラスを訴えた件の予備判決で「ニクラスはコース設計を継続できるが、ゴールデンベアなど同社が所有する名称を使用してコースを販売することはできない」とされた。

ミルスタイン氏はまた、「5年間の競業禁止契約によりニクラスは同社以外でサービスを提供することはできない」と主張。しかしこのたび仲裁人は「すでに5年が経過している」として申し立てを棄却。それを勝訴と認識したニクラスは、「また自分の名前でコースを設計できる」と喜んだのだ。

しかし会社側は「これまでと同様ジャックがコースを設計し自分の名前を商業的に使うなら、ニクラス・カンパニーを通さなければならない」と主張している。

一方でニクラスがミルスタイン氏を名誉毀損で訴えている案件も。かつての友の仲たがいは止まらない。「ゴルフコースを造る喜びは何ものにも代えがたい」とニクラス。だが、今後も訴訟問題に悩まされそうだ。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年8月6日号「バック9」より

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