地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房の「飛ぶスペック」を週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

アイアンと同じ感覚で振れるドライバー

連載28回目は広島県福山市に工房を構える「福山ゴルフ」の橋本行央さんがおすすめする1本をご紹介。小学校からゴルフをしてきた橋本さんは、高校、大学はラグビー部に入部し、祖父が開いた工房を継いだ形となった。自身はTPI(タイトリスト パフォーマンス インスティテュート)資格を保有し、レッスン業も行っている。橋本さん曰く「自分にできないことをお客様に教えたくない」という信念のもと、現在も情報収集は欠かさないという。※TPIとは? こちらをクリック

画像: 作業中の様子(橋本さん)

作業中の様子(橋本さん)

クラブの選び方について訊くと「データの数値を見てフィッティングはできますが、今のスウィングを見てクラブを作るというより、1ランク、2ランク上のクラブを提供することが多いです。理由として、スウィングは日々成長していくことと、現状よりグレードアップしたクラブを扱うことで自身のレベルアップにも繋がると思っています。また、クラブ全体の考え方として、クラブによってスウィングが変わらないように組むことを意識しています。アイアンも感覚を優先させるので番手によりバランスが異なる場合もあります。またゴルフを始めたての方は軽すぎるクラブは避け、半強制的に腕で振れない状態になるように少し重ためのクラブを提案しています」とゴルファーの好みと、今後を見据えたフィッティングが強みだろう。福山ゴルフではヘッドやシャフトがオリジナル商品として展開しており、ヘッドの重量調整など様々な要望に応えてくれるという。

「『SKYWARD FORCE』と『SKYWARD TOURタイプ4』がおすすめ」と橋本さん。「前作は、アイアンと同じイメージで振れるように重心角もアイアン同様かなり小さめにしたのですが、やはり『つかまりにくい』との声がありました。今回の新作ドライバーは前回より重心角を増やし、つかまりを良くしています。更にフェース面にはレーザー加工を施し、シャフトにもよりますが適正なスピン量を確保し、ディープフェースで球の強さを出せるような仕上げとなっています。シャフトに関してはTX相当の硬さですが、実際に振るとTXに感じにくく、ハードに思わせない味付けとなっています」と話す。

●ヘッド/F-1 SKYWARD FORCE(10度)

画像: F-1 SKYWARD FORCEドライバー

F-1 SKYWARD FORCEドライバー

ヘッド&フェース&バック全てが「超ディープ」な強弾道ドライバー。ディープながら空気抵抗を最大限に低減し、ヘッドスピードアップを実現。さらに重心角を最適化することで従来のドライバーでは難しかった、ストレート、フェード、ドローのセッティングなしでの打ち分けが可能に。また、オリジナルシャフト「SKYWARD INP-LAY」、「SKYWARD TOUR」との組み合わせで真似できない飛ばしを体感できる。※価格は福山ゴルフまで問合せ(9月発売予定)。

●シャフト/SKYWARD TOURタイプ4 (TX)

画像: 【振動数詳細】Type-1:257cpm/Type-2:267cpm/Type-3:278cpm/Type-4:288cpm

【振動数詳細】Type-1:257cpm/Type-2:267cpm/Type-3:278cpm/Type-4:288cpm

インパクト時の球のつかまりを追求。安定感の中にも軟らかさを感じ、独自のフィット感のあるモデルに仕上げたシャフト。オールマイティに使える1本となっている。タイプ1から4までラインナップがあり、数字が上がるにつれて振動数が硬くなる。橋本さんはヘッドスピード47でタイプ4を使用しており、ヘッドスピードに関係なく振りやすさで選んでほしいため『Type‐4』のような表記にしているとのこと。※価格は福山ゴルフまで問合せ(シャフト単体購入可能※原則店舗にて購入する場合のみ)。

スライスを抑え、つかまり過ぎない組み合わせ

ここからは堀越プロの試打結果とインプレッションをお届けしよう。

まずはクラブを持ってアドレスしてみると「グリップした時は気が付かなかったけど、アドレスするとフェース面がクローズで、球がつかまるような安心感がありますね。ですが重心角が通常より小さめなので、一般的に『ヘッドが返りにくく、フッカー向け』と言われてることが多いです。個人的には、ややつかまりにくいとされている重心角の小ささを、フェース面が閉じている安心感でスライスを恐れず振り抜きやすくする意図だと感じています。またシャフトに関しては自分の思い通りに動いてくれる、無駄な動きをしないシャフトです。適度な硬さと重さがとても振りやすく、先が暴れないため、安定性に優れているシャフトだと思います。フェースの向きだけではつかまり度合は測れないので、実際に打って試してみたいと思います」と堀越プロは話す。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

画像: 弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

実際にヘッドスピード43m/s前後で試打を開始。

「このクラブをおすすめできるのは、まず第一に『強い球を打ちたい人』。そして『スライスさせたくない人』です。またスウィングタイプですが、重心角が小さいため、開いて閉じるといったようにアームローテーションが多少あるほうが打ちやすく感じました。また球筋は軽いフェード~ストレートで打ち出され、打ち出し角はやや低め、フックフェースのイメージとは裏腹に、つかまり過ぎを抑えた安定感のある強い球筋が特徴的だなと感じました。またシャフトによるかと思いますが、球が上がらない方はロフトを寝かせたり、シャフトをもう少し軟らかめにすることで理想の弾道に近づけると思います」(堀越)

なお、ヘッドスピード43m/s前後で5球を打っての平均は下記のとおり。

ボール初速●61.2m/s
打ち出し角●12.9度
スピン量●2279rpm
キャリー●222.6Y
総飛距離●247.1Y

総評

画像: 「重心距離が小さく、操作しやすい印象でした」(堀越プロ)

「重心距離が小さく、操作しやすい印象でした」(堀越プロ)

「今回試打したクラブは通常より重心距離が短いヘッドに、ややフックフェースを組み合わせて捕まり過ぎを抑え、構えた時にスライスするイメージが沸かないような組み合わせでした。実際に打つとストレートな弾道で、左を恐れずに振っていけて安定感がありました。またロフト調整をすることで更につかまり度合を調整できる万人向けのクラブだと思います。シャフトのフレックスもTX相当でしたが、そこまでタフには感じさせず、程よい重さ、硬さで手打ちになりにくく、体全体を使って打てるクラブだと思います」(堀越)

福山ゴルフ

画像: 福山ゴルフの外観と、クラブ調整を行っているベテランスタッフさん

福山ゴルフの外観と、クラブ調整を行っているベテランスタッフさん

福山ゴルフではオリジナル商品(ヘッド・シャフト)のほか、TPI資格保有者のレッスンやフィッティングが受けられる。

住所/広島県福山市沖野上町5-7-18
営業時間/9:00~19:00
定休日/日曜日※要確認
電話番号/084-921-2939

THANKS/クレアゴルフフィールド

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