アリゾナ州立大4年のホセ・ルイス・バレスター(Ballester)が、これまで偉大な先輩たちが誰も達成できなかった偉業を成し遂げた。
画像: アリゾナ州立大4年のホセ・ルイス・バレスターが全米アマ優勝(PHOTO/Getty Images)

アリゾナ州立大4年のホセ・ルイス・バレスターが全米アマ優勝(PHOTO/Getty Images)

セベ・バレステロス(Ballesteros)を筆頭に多くのメジャーチャンピオンを輩出してきたスペインだが、全米アマ制覇はゼロ。だが今回、スペインの新星が自らの誕生日(8月18日)にアマチュア最高峰の大会でビッグタイトルを射止めた。

36ホールの決勝マッチの相手は、世界アマランキング560位の伏兵ノア・ケント(米)。

ミネソタ州ヘイゼルティンの開催コースを訪れたギャラリーの9割が彼の応援に回り、バレスターは完全アウェイ状態での戦いとなった。

最後の9ホールを4アップで迎え優勢だったがケントが終盤激しく追い上げ、決着は18番にもつれ込んだ。そこでバレスターはジョン・ラームを彷彿とさせる完璧なティーショットでフェアウェイ中央をとらえ、第2打はバーディチャンス。

相手がミスを重ねると彼はキャディと抱き合いながらグリーンに歩を進め、「この最後の歩みを楽しもうと声をかけあったんだ」。

アマチュアの世界ランクは10位だが、カレッジでの優勝はない。しかしオールアメリカンには3度選ばれており、「何かきっかけがあれば大化けする逸材」と大学の監督も期待を寄せていた。

「スペインには伝説に残る選手が大勢います。その歴史に僕の名を加えることができたのがうれしい。まだ現実をのみ込めていません」とバレスター。

決勝マッチの前夜、ホテルで寿司を食べ卓球を楽しみ、憧れの先輩セルヒオ・ガルシアと電話で話した。大会中もメールをやり取りし、「自分らしくあり続けることが一番大事」とアドバイスを受けた。終盤の逆境にもこの言葉が浮かび、自分らしいプレーでアウェイのギャラリーを黙らせた。

ガルシアは、憧れの人セベの誕生日にマスターズを制した。誕生日Vを果たしたバレスターにもいつかそんな日が訪れるかもしれない。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年9月10日号「バック9」より

セベ・バレステロスの伝説

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