女子ゴルフの今季国内ツアーメジャー第2戦ソニー日本女子プロゴルフ選手権最終日が8日、沖縄県名護市のかねひで喜瀬カントリークラブで行われ、3打差単独首位から出た21歳の竹田麗央が5バーディ、2ボギーの3アンダー69で回り、大会最少スコアに並ぶ通算19アンダーで逃げ切った。4日間一度も首位を譲らない完全優勝でのメジャー大会初制覇で、前週のゴルフ5レディスから2週連続の今季(通算)6勝目となった。3位から逆転を狙った山下美夢有が6バーディ、ボギーなしの66で回り、通算18アンダーで2位。69でまとめた藤田さいきが通算15アンダーで3位に食い込んだ。
画像: 大会最少スコアに並ぶ通算19アンダーでメジャー初優勝を飾った竹田麗央(撮影/岡沢裕行)

大会最少スコアに並ぶ通算19アンダーでメジャー初優勝を飾った竹田麗央(撮影/岡沢裕行)

「これからもたくさん優勝できるように頑張ります」(竹田)

画像: 大勢のギャラリーから祝福の拍手を浴びる(撮影/岡沢裕行)

大勢のギャラリーから祝福の拍手を浴びる(撮影/岡沢裕行)

思わず笑みがこぼれた。

最終18番、竹田は3メートルのバーディパットがカップの淵に止まると、ほっとしたように白い歯をのぞかせた。いったんマークをし、5センチほどのウィニングパットをコロンと沈める。

グリーンを取り囲んだ大勢のギャラリーから祝福の拍手を浴びながら、右手でボールを拾い上げ、そのままキャップのひさしをつまんで小さくおじぎをした。

表彰式では思いの丈を口にした。

「初優勝からの目標はメジャー優勝だったので、今週達成することができて、とてもうれしいです。まだ実感はそんなに沸いてこないんですけど、これからもたくさん優勝できるように頑張ります」

「20アンダーを目標にしてました」(竹田)

画像: 最後まで危なげない内容で逃げ切った(撮影/岡沢裕行)

最後まで危なげない内容で逃げ切った(撮影/岡沢裕行)

21歳にしてベテランのような貫禄さえ漂う最終日のプレーだった。

2位に3打差の単独首位からスタート。昨年の年間女王・山下の猛追を受けながらも冷静さを失うことはなかった。

4番で右手前から5メートルのバーディパットを決めて流れに乗り、5番はアプローチを1メートルに寄せてスコアを伸ばした。折り返しの10番で第2打がバンカーにつかまってこの日初ボギーも、14番で2メートルを入れてバーディ。勝負どころの16番は4メートルのバーディパットを沈めた。17番は3パットのボギーをたたいたが、この時点でまだ山下とは2打差。最後まで危なげない内容で逃げ切った。

「途中途中でボードを見たりして(1組前の山下)美夢有さんが伸ばしているなと思った。でも、それは想定していたので、自分は(通算)20アンダーを目標に、それだけを考えて回っていました」

「いつかは米ツアーに挑戦したい」(竹田)

画像: 「3年シードを獲れたことで(米ツアーに)すごく挑戦しやすくなった」という竹田(撮影/岡沢裕行)

「3年シードを獲れたことで(米ツアーに)すごく挑戦しやすくなった」という竹田(撮影/岡沢裕行)

記録ずくめの優勝となった。

完全優勝は2018年の申ジエ以来6年ぶりで日本勢初の快挙。優勝スコアの通算19アンダーは2021年の稲見萌寧と並ぶ大会最少スコア記録だった。また、前週ゴルフ5レディスから2週連続優勝で今季6勝目を挙げたが、今季21試合目での年間6勝到達は歴代4位のスピード記録となった。

「(19アンダーのことは)知っていました。毎週試合があるので(結果を)振り返ることはしないで、次、という感じでやれているのがいいのかなと思います」

この優勝で3年シードも与えられ、近い将来米ツアーに参戦するかどうかも注目される。

「3年シードを獲れたことですごく挑戦しやすくなったと思うので、特に来年とかは考えていないですけど、いつかは挑戦したいと思います」

年間最多勝のチャンス!?

画像: 「毎週その試合でベストを尽くすのが目標」という竹田(撮影/岡沢裕行)

「毎週その試合でベストを尽くすのが目標」という竹田(撮影/岡沢裕行)

今季女子ツアーは秋の陣に突入し、年間女王争いからも目が離せなくなってきた。このメジャーVで400ポイントをゲットし、年間女王を示すメルセデス・ランキングでは2位の山下以下を大きく引き離した。

「目指せる位置にいると思うので、毎週ベストを尽くして、その結果年間女王になれたらいいなと思います」

年間女王だけでなく、年間10勝という偉業も視界に入ってきた。この大記録は”レジェンド”不動裕理が2003年に達成しているが、そのときは今大会で6勝目をマークし、その勢いもあって年間10勝を成し遂げている。竹田にとっては”吉兆”ともいえる事実で、年間最多勝の更新までもチャンスは広がる。

「いつも毎週その試合でベストを尽くすのが目標なので、来週からもやっていきたいなと思います」

新星の進化は止まらない。

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