17年頃から手首の問題を抱えていたスピースだが、今年の5月に「自宅のプールで息子と遊んだ後、何かが弾けるような感覚がした」という。
このときスピースは手首の腱を脱臼したのだが、時の経過とともに頻繁に脱臼するようになり、手術を決意。しかし彼にはポイントランクトップ50以内に入って来年のシグネチャーイベントの出場権を確保するという目標があった。
そのためにシーズンが終了するまで手術を待ち、プレーオフシリーズ初戦に進出。だが68位タイに終わり、トップ50入りを逃したタイミングで手術に踏み切った。
実は7月のジョンディアクラシックの最中、「また外れて(脱臼して)一晩中戻らなかった。『もう無理、すぐに治してもらわなきゃ』と担当医に連絡した」。これが奏功し、どうにかプレーできる状態まで戻り、「全英オープンに行けるかどうかを確認するためにプレーすることにした」。
その結果、3日目に63をマークし上位に浮上。26位タイに終わったが、2週間後に控えていた全英オープンには出場し、25位タイで4日間の競技を終えた。
脱臼する前のシーズン序盤はザ・セントリーで3位、フェニックスオープンで6位タイと好調な滑り出しだったが、それ以降トップ10は1回だけ。
「アップヒルから打つときは特に地面の衝撃が大きかった。でも言い訳はしたくなかったし、諦めたくなかった」
スピースによれば、11月中旬までにフルスウィングができるだろうということで、「年明けまでには完全回復しているはず」と25年1月のソニーオープン・イン・ハワイでの復帰を目指している。
「同じような手術を受けた人たちから『医師のいうことを聞いてリハビリに励めば、目が覚めて、問題があったことをすっかり忘れていたという日が来る』と言われた。4、5カ月で元の自分に戻れると思いたい」
早く絶好調のスピースが見たい。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年10月1日号「バック9」より