トランプ政権下で首席補佐官を務めたラインス・プリーバス氏がABCテレビの番組「View」に出演し、ハリス候補がいかに苦戦しているかを指摘したのだが、引き合いに出したのが今年の全米オープンで自滅し、10年ぶりのメジャー戴冠を逃したマキロイのことだった。
「彼女(ハリス候補)は2人の候補者が直面している2つの最重要課題である"経済と移民問題"を明確にしようとしたが失敗した。全米オープンのローリーのように」
えっ、ここでマキロイを出すの!? というタイミング。突然とばっちりを受けた格好だが、それだけパインハーストNO.2の上がり3ホールで2ボギーを叩き、ブライソン・デシャンボーに逆転された敗戦の印象が強かった証拠。
プリーバス氏だけでなく彼の土壇場での"メルトダウン"を批判する声は多い。全米オープンだけではない。9月にも母国のナショナルオープン(アイルランドオープン)では最終日の17番で3パット。手が届いていたはずのトロフィを自ら手放し、翌週のBMW PGA選手権でプレーオフに進出しながらまたも優勝を逃すなど、「マキロイはビビり」「詰めが甘い」などと悪評が渦巻いた。
もちろんいまだ世界ランク3位だし、悪い悪いと言われながら4月のチューリッヒクラシック(チーム戦)、5月のウェルズファーゴ選手権で勝っている。しかし期待されたメジャー5勝目はお預け。
引退がささやかれていたジャック・ニクラスが、86年のマスターズで史上最年長となる46歳にして優勝を飾ったように、タイガー・ウッズが19年のマスターズで劇的復活優勝を飾ったように、スーパースターは奇跡を起こすもの。
マキロイはまだ35歳。今年の苦い敗戦は忘れ、来年こそ待望のメジャー優勝を手に入れてもらいたい。
週刊ゴルフダイジェスト2024年11月5日号「バック9」より