
トップで悩んでいる人は必見!
フルスウィングの解説スタート!

トップはこんなにコンパクト
原田 前回でハーフスウィングの完成度を高めるために大事なことの説明は概ね終わりました。今回からは正しいフルスウィングについて説明します。
GD 長い時間をかけてハーフスウィングの修得に取り組んできたので、フルスウィングを学ぶ土台はある程度できていると思います。ハーフスウィングはフルスウィングの80%を占めるということですから、フルスウィングは残りの20%を付け加えればいいのでしたね。
原田 その通りです。では、最初に正しいトップの作り方から説明します。
GD ハーフスウィングでは左腕が地面と平行でした。
トップの形とグリップの位置

グリップの高さはグリップが右耳の横に来るのがちょうどいい
原田 フルスウィングでは、トップの位置、トップでの手の形など注意すべき点という順番で説明します。
GD 正しいトップの位置は右肩の上あたりですか?
原田 グリップの高さはグリップが右耳の横、位置は後方から見て右足かかとと土踏まずの間にあるのが適正です。

トップのグリップは右足かかとと土踏まずの間から上に垂直に線を引いたところに置くのが適正だ
GD 正しいグリップは右足かかとと土踏まずの間から上に垂直に線を引いたところにあるということですね。
原田 そうです。
GD これまでの自分のやり方だと、それだとちょっと肩が回っていないように感じます。もっと肩を回してはいけないんですか?
原田 それで十分です。 連載の26回目でテークバックの際イメージクロックの8時の位置から9時の位置にクラブを上げるときは、テコシステム(一般的にはコック)を使うと説明しました。でね、左手の小指、薬指、中指の3本を握って9時の位置にクラブを上げながらグリップを耳の横まで上げていくんです。そうすると左肩が入ってきて、グリップは後ろから見て左足かかとと土踏まずの間の上延長線上にあるはずです。
トップまでのクラブの上げ方

テークバックから"テコシステム"を利用してクラブを上げて行く
GD そこの鏡に向かって自分もやってみます。クラブを8時の位置からテコシステムを加え9時の位置を通過して手を耳の高さに持ってくると、左肩が入ってきて、確かにグリップは右足かかかとと土踏まずの間の上延長線上にありますね。
原田 いいですね。それが正しいトップでのグリップ位置です。
GD 思ったよりコンパクトな感覚です。このトップの位置をマスターするうえで自分たちアマチュアが気を付けなくてはいけない点は何ですか?
原田 間違った動きの代表的なものは、いわゆるオーバースウィングですね。
GD 肩を回しすぎる、手の位置を高く上げすぎるなどのやりすぎですか。
原田 私が見ていて結構多いと感じる間違った動きは、シャフトクロスです。トップでシャフトはターゲットラインと交差してしまう動きです。正しくはシャフトがターゲットラインに対して平行になっていなければいけないのですが。
GD シャフトクロスになっている人はコースや練習場でたまに見かけます。何が原因でどうやったら改善できるんですか?
オーバースウィングやシャフトクロスはひざの動き過ぎが原因

シャフトクロスはひざの動き過ぎが原因
原田 シャフトクロスのようなオーバースウィングになっている人の場合、ひざが過剰に動いているんです。
GD ひざですか? てっきり上半身や手が動きすぎているものだと思い込んでいました。
原田 両ひざの向きとシャフトの向きは一緒なんですよ。
GD 一緒というのは両ひざを結んだ線とシャフトが平行という意味ですね。
原田 そう、そう。左ひざが体の前に出すぎて、右ひざが引けてしまう人はシャフトクロスになりやすい。両ひざを結んだ線が斜めになってターゲットラインと交差してしまいますから。
GD シャフトクロスしている人を見たら、ほぼひざに原因があると、なるほど。
原田 だからね、トップの位置はひざから下で作ると言っても過言ではないんです。
GD オーバースウィングやシャフトクロスで悩んでいる人は多いと思います。矯正方法はあるんですか?
ハーフスウィングで両ひざが動かない練習をしよう

ハーフスウィングで両ひざが動かないテークバックを繰り返し練習することが大事
原田 それは単純明快です。両ひざを動かさないようにすることです。ハーフスウィングでも完成度を上げるために必要なことをお話しましたが、その中のイの一番にテークバックでは両ひざから下が動かないようにしてくださいという説明をしたはずです。それを思い出して、繰り返し練習することで、徐々に正しいトップをマスターすることができるようになります。
GD フルスウィングをマスターするためには、ハーフスウィングの基本練習を繰り返すことが大切なんですね。
原田 そうです。ハーフスウィングでフルスウィングの80%ができているのですからね。では、次回は正しいトップを作る上での注意するポイントを説明していきましょう。
●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)
はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。
撮影協力/都留グリーンゴルフ、梅里カントリークラブ