
【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●59.0度 体積●450cc 価格(税込)●11万5500円 ※メーカー公表値
「LSモデル」なのにボールが上がりやすい
GD 今回は『本間ゴルフ TW767 LS ドライバー』(以下、LS)を兄弟モデルの『TW767 MAX』(以下、MAX)と比較しながら分析していただきます。過去にMAXを分析したところ従来のツアーワールドよりもやさしく、つかまり重視のドライバーになっているとのことでした。
松尾 はい。つかまり性能に加えてヘッドの慣性モーメントが大きくなっており打点ブレに強い性能になっていました。さらに重心が高くスピンが入りやすく、弾道が安定するところも含めて“やさしいツアーモデル”に様変わりしていました。
GD 巷の“LS”と名の付いたドライバーは低スピン設計のため、ある程度ボールを上げられるパワーがないと扱えない印象があります。「TW767シリーズ」の『LS』はどうなんでしょうか?
松尾 低重心率(重心の高さ÷フェース高さで求められスピン性能の指標になる)を見てみると『MAX』が67.7%、『LS』が65.4%と兄弟モデルの中では低いですが、基準値(62.0〜63.9%)と照らし合わせると高い重心設計になっています。つまりLSモデルながらもスピンが入りやすく弾道が安定しやすいヘッド性能と言えるでしょう。
GD 「TW767シリーズ」のやさしいツアーモデルというコンセプトは『LS』だと、振る力に自信がないゴルファーでも扱えるわけですね。
松尾 はい。しかし他の兄弟モデルと一線を画している部分もあり、それはヘッドの左右方向の慣性モーメント(上限は5900g・㎠)です。『MAX』は5303g・㎠、一方の『LS』は4613g・㎠と小さく、基準値(4600〜4799g・㎠)の範囲内の標準レベルに抑えられています。
GD ある程度、芯にミートできることが前提のドライバーなわけですね。他に特徴はありますか?
松尾 他にはヘッドの慣性モーメントと関係している重心深度(基準値:39.0〜40.0ミリ)が36.4ミリと非常に浅いです。この設定は見た目にも表れていて全体的に小ぶりでスッキリとしています。さらにスイートスポットの位置を見てみると中心よりもトウ側に設定されているフェードバイアスヘッドです。
上から、ヒール側重心のドローバイアスの『MAX』、中心設定の『標準』、そしてトウ側重心のフェードバイアスの『LS』
GD 『本間 TW767 LS ドライバー』はどんなゴルファーにおすすめですか?
松尾 ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントが『MAX』は8608g・㎠、『LS』は7578g・㎠となっています。兄弟モデルの中では一番抑えられていますが、基準値(7000〜7299g・㎠)からすると大きいカテゴリーです。自分で弾道をコントロールして打つというよりも、オートマチックに振ると飛ばせるドライバーです。スピンの入りやすさ等を踏まえると他のLSモデルが難しく感じているゴルファーは一度、試してみると良いかもしれません。